エンコードのお話 その2
どうも何気なく記載したエンコード関連の用語がひっかかってこのブログにくる人も多いようなので、予定はしていなかったが“その2”として再度エンコードのお話。
今回は前回特に触れていなかった、あるいは使用してはいないが使える(と勝手に思っている)フィルタ群についてまとめてみようと思う。
AviUtlお勧めフィルタ(プラグイン)一覧
【編集補助系】
[ポイント]
再生ウィンドウを使わないで、コマ送り形式での自動プレビューが出来る。
[使わない理由]
編集中のコマ送りによる確認作業に必要性を感じなかったため。
→DeDotMTの効果確認などには必須であったため、状況に応じて使うようになった。
[ポイント]
シーンの切り替わりを自動的に見つけて移動してくれる。
[使わない理由]
検出時間と精度を考えるとジャンプウィンドウで事足りるため。
[ポイント]
ノイズ除去系フィルタの詳細な効果確認が可能。
[使わない理由]
これを使わなければわからない程度の差なら軽いものを使うため。
[ポイント]
カット編集と並行してチャプターファイル(.txt)の作成が出来る。“拡張 x264 出力(GUI)”ならMP4Boxを使うことで出力処理と並行してのチャプター埋め込みも可能。
[使わない理由]
単純に面倒であること、またチャプター機能自体あまり使わないため。
[ポイント]
拡大ツールフィルタの拡張版。主な変更点としては①ドットの大きさの均一化②ドラッグ移動可③拡大縮小の中心をウィンドウの中心に④拡大率の変更をマウスホイールに⑤YUY2フィルタモードでも動作可
[使わない理由]
特に拡大ツールでも問題なかったためあえて入れようとはしなかったが、便利と言えば便利なので暇なときにでも入れてみるといいかも。
【リサイズ系】
1 インターレース維持リサイズ(linear_resize.auf)
[ポイント]
アプコンソースに対し、適切な設定をした上でSDサイズまで縮小することでアプコン縞を完全に消すことが出来る。これを再度HDサイズに拡大すれば、素材よりも状態の良いアプコン画質を得ることも可能。
…らしい。
[使わない理由]
条件と設定がシビアな上、縞のない大半の部分が劣化してしまうため。ちなみに自分の場合は有効だと思われる状態自体確認することが出来なかった。
[ポイント]
平均画素法(縮小のみ)、Lanczos1~8、Bilinear、Bicubic、BlackmanSinc1~8、Spline16、Spline36、Gaussianと、様々なアルゴリズムでのリサイズが可能。更にBicubicはシャープネス効果を12段階で、Gaussianはぼかし効果を24段階で調整できる。
[使わない理由]
なし。最近このフィルタの存在を知り、現在ではこちらを常用している。中でもLanczos4やSpline36(縮小面に限ればLanczosより優秀)が使えることが大きく、もはや「“Lanczos 3-lobed 拡大縮小”の拡張版」以上の、「“Lanczos 3-lobed 拡大縮小”をも内包した最強のリサイズ総合フィルタ」であると言えよう。
→どうもこのフィルタを使っている最中にAviUtlをいじると映像が壊れてしまうようで、安定性に欠けるためLanczos 3-lobed 拡大縮小に戻すことにした。
【ノイズ除去系】
[ポイント]
アンシャープマスクをマルチスレッド、SSE2に対応させ処理速度が速くなっている。バグもある程度修正済み。
[使わない理由]
アンシャープマスクの効果は大きいが、どうにもリンギングが発生しやすいために使用していない。
2 NL-Meansフィルタ(nlmeans_filter.auf)
[ポイント]
とりわけアニメにおいて非常に高い効果を発揮。GPU処理を実装することで処理の高速化を図っている。
[使わない理由]
古いアニメなどにたまに使っているが、効き目が強すぎるためにあるべきものすら消し去ってしまう可能性が高く、処理もかなり重いのが難点。GPU処理の試みは面白いが、(少なくとも自分の環境では)あまり有効に働いてはいないようだった。
[ポイント]
その名の通り(ブログ書き込み時)現在放送中のアニメ『宇宙をかける少女』で発生する酷いシュートを低減させるためにつくられた専用フィルタ。専用だけあって同作品に対する効果は絶大。
[使わない理由]
最近知り、製作者様の意図通り同作品にだけは使っている。一応それなりに汎用性もあるが、その効果の大きさと特殊性からこの作品(クラスの酷さ)以外では弊害の方が大きくなりがち。ただ処理自体は特に重過ぎるわけでもない。
4 ノイズ除去フィルタ(AviUtl内蔵)
[ポイント]
ノイズ除去(時間軸)フィルタは前に持ってくることで元の画像に近づけることを主な役割としているが、こちらは最後に持ってくることで各フィルタ(とりわけ輪郭強調系)により発生した微妙な瑕疵をごまかすような使い方ができる。透過性ロゴ(ロゴ解析)で残ったゴミを完全に消したい場合などにも有効で、ノイズ除去系の中では最も使い勝手がいいフィルタ。
[使わない理由]
元画像重視でノイズ除去は必要最低限にとどめておきたいため、基本的にはノイズ除去(時間軸)フィルタオンリーで処理している。ただ最近では上記のロゴ問題が気になりだしたため、多用する方向にシフトしていきそう。
【輪郭補正系】
1 エッジレベル調整 Ver0.7(edgelevelMT.auf)
[ポイント]
それほど重くない割に効果は高く、ぱっと見でも違いがわかるほどの輪郭強調が可能。全体的にシャープになるだけでなく、輪郭強調系の弊害として有名なリンギング(シュート?)も起こりにくい。
[使わない理由]
warpsharpを常用しているために他の輪郭強調系フィルタはあまり使う機会がないのが現状。ただボケ気味のHD作品やボケすぎたSDアプコンにはたまに併用している。
→HD作品には基本的にwarpsharpをかけない方向に変え、ボケ気味のものにのみwarpsharpを弱くかけるようにしたため、実質的に使う機会はほとんどなくなった。
…というかこのフィルタ、ちょっと強くかけただけで後悔したくなる結果になることが度々あったため、味付け程度にさらっとかけるくらいがちょうどいいのかもしれない。
2 非線形処理な先鋭化フィルタ(nlsharpen.auf)&非線形処理な先鋭化用前置フィルタ(prefilter.auf)
[ポイント]
ボケた輪郭線をくっきりさせたいときに有効。
“非線形処理な先鋭化用前置フィルタ”はブラーであり、“非線形処理な先鋭化フィルタ”の前におくことで影響の受けやすいノイズを低減させる効果を持つ。
[使わない理由]
一度warpsharpと併用したことはあるが、その後は(なぜか)スルーし続けていたフィルタ。ふと思い出し最近入れ直したため、今後使っていくかどうかは対費用効果と必要性を吟味した上で決めていく予定。
【入出力系】
1 DirectShow File Reader プラグイン for AviUtl(ds_input.aui)
[ポイント]
様々な形式の動画が読み込めるようになる。
[使わない理由]
なし。むしろ必須。所持しているMP4動画をポータブル機器用の形式に変換するときなどに多用。
2 MP4 File Reader(mp4input.aui) & MP4 Export Plugin(mp4export.auf)
[ポイント]
この2つを組み合わせることでMP4動画のカット編集、分割、結合を劣化なしで行うことが出来る。
[使わない理由]
なし。しかしこれにより生成したMP4はDLNA運用が難しくなるなどの欠点もあるため、他に手段がない場合にのみ用いるようにしている。またエンコード目的でこの入力プラグインを利用すると音ズレが発生してしまう点にも注意が必要。
3 PV3 AAC2WAV出力プラグイン(pv3aac2wav.auo)
[ポイント]
PV3のDVファイルにおいてAACストリームをWAVファイルに変換できる。5.1chにも対応。
[使わない理由]
レコーダー側でPCM変換してしまっているため。
4 PV3 DV エクスポートプラグイン(pv3dv_export.auf)
[ポイント]
PV3のDVファイルをカット編集して、再圧縮無しで出力できる。
[使わない理由]
なぜか自分の環境では使えなかったため。まあ使えたとしてもあまり使う機会はない気もするが。
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