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2009年2月25日 (水)

【Intel】CPU Core i7 920

Corei7_3

―― 前置き ――――――――――――――――――――――

今まで使っていたCPU、Q6600(OC:3.3GHz)とそのマザーボード、P5K-Eのどちらかが逝ってしまったようで、いきなりPCの電源がつかなくなったのはつい3日前のこと。上記2点にまでは絞り込めたものの、自身の力量ではどちらの故障か判断がつかず、万一新規購入した方が正常だった場合の絶望感と金銭的、実用的側面を考慮した結果、この際システムごと一新する方向でCore i7の導入を決意した。その費用実に7万円―。なんと金を喰うマシンなんだとつくづく実感したのはすべての会計が済んだ後の話だった。

 

―― 製品情報 ――――――――――――――――――――

2008年11月発売 推定市場価格 28,000~30,000円

クロック周波数 2660 MHz TDP 130 W

物理コア数 4 論理コア数 8

 

―― 個別ランク ――――――――――――――――――――

 

【処理速度】

23461265935268_r_2 クロック数だけなら今のCPUではごくごく普通。むしろ若干遅いくらい。このCPUの魅力は数字上のクロック数よりむしろコア数にあるため、HT有効時の論理8コアが活かせる環境であるかどうかに大きく左右される。自分は主にエンコード目的でPCを活用しているため非常に有効であるが、その一方でコア数を全く必要としないその他いろいろな動作においては以前より若干のもっさり感も感じている。またデフォルトではEISTとC1Eによりクロックが可変し、最低クロックが1.6GHzなのは以前のQ6600のときから同様なのだが、なぜだかi7 920の場合はx264生成mp4やPV4生成DVなどのファイル再生時もクロックが上がらず、低スペックPCの如く非常にストレスの溜まるものだった。これはQ6600時にはみられなかった症状なので、他の要因ではないかと何回も再起動したりアプリチェックしたりしてみたが結果は変わらず。仕方がないのでEISTとC1Eは切ってしまった。

 

【互換性】

76551265935341_r ソフトウェアに関してなら問題とするところは特にないが、まず8スレッドに完全対応したアプリ自体が希なため上記に関してでも完全に活かし切れないという意味でB評価くらい。で、今回はそっちじゃなくてハードウェアとしての評価。そもそもi7のソケット規格LGA1366自体が他のCPUより一回り大きいため、マザーボードは現状i7専用となり以前の使い回しが全く利かない。おまけにメモリーもDDR3専用のため、これも同様。今後LGA1366(あるいはそれに準拠した規格)が主流となってくればこれほど酷評にすることもないだろうが、どうもこの敷居の高さは思った以上に深刻らしい(そりゃそうだ)。LGA775との互換性の話もちらほら出てきているため改善する可能性もないわけではないが、それでも現状においては非常に互換性がないCPUだと言わざるを得ないだろう。

 

【省エネ性】

76551265935341_r_2 これも恐ろしいほど低い。というのも、そもそもネイティブクアッドコア自体がかなりの廃熱量があるらしく、45nmにもかかわらずアイドル時およそ45℃、負荷時およそ65℃以上にはなる(リテールファン使用、CoreTemp読み)。当然TDPも130Wと高く、以前の3.3GHzにOCしたQ6600+NINJAPLUSと同等かそれ以上だったのには少し驚いた。ちなみにリテールファンの五月蠅さから即刀3へと鞍替えしたのだが、こちらではアイドル時、負荷時共に上記より5℃程度の冷却効果が得られ、静音性もかなりマシになった。

 

【安定性】

23461265935268_r_3 Intel CPUは従来からかなり安定しているためこちらの瑕疵(あるいは個体差?)なのだろうが、処理速度の項でも述べたように低クロック時(EIST、C1E作動時)の挙動が明らかに悪い。まあそれ以外は今のところ特に問題点はないのだが。

 

【コストパフォーマンス】

47251265935295_r

互換性の項参照。i7 920単体としてのコストパフォーマンスはSクラスだと思うが、それに付随する形でマザーボードとメモリーの出費も必須というのは痛すぎる。環境によっては電源などその他のパーツも交換が要求され、実質的にはi7購入=PC再構築とほとんど同義に。

 

 

―― 総合ランク ――――――――――――――――――――

23461265935268_r_4 上記に書いたようにすべてが最高というわけではないが、導入さえ目処が立てば基本的には満足できる製品。特にニーズに合致したときのパフォーマンスは非常に高いと言えよう。前述したように自分の場合は動画エンコード、しかも特に重いx264とAviUtl各種フィルタを使っているため、定格クロック数を考えればもはや爆速と言えるだけの恩恵を受けることができた。具体例としては今までおよそ2.5時間かかっていたものがおよそ2時間程度にまで短縮し、しかも以前のQ6600は3.3GHzにまでOCしていたのだから定格の2.66GHzでこの数字は驚きものだろう。これで同程度までOCしたら一体どれだけ早くなるのか…(ゴクリ)。しかしOCして1年ちょっとしか保たなかった経験から逸る気持ちを何とか抑え、今回は断固OCしない方向を貫くことに成功。OS再インストールやらなにやらも含め肉体的にも精神的にも(金銭的にも)かなり大変であったが、まあそれだけの価値はあったと言っていいだろう。これからは更にエンコ作業が楽しくなりそうである。

 

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