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2009年3月

2009年3月11日 (水)

PS3によるアプコン画質を更に昇華させてみる思索

【はじめに】

かなりの高評価を受けているPS3のDVDアプコン機能。巷では20~30万の専用機並とも言われており、自分もその恩恵にあやかってDVDはPS3のアプコンをキャプ→エンコという手順を踏み、HDDに残している。しかしそのPS3のアプコンもリアルタイム処理故にすべてが完全というわけにはいかない。

というわけで、主にAviUtlのフィルタを通して画質をより向上させよう、というのが今回の目的。

なお「最近このブログ、趣旨から外れて雑記ばっかじゃね?」というツッコミはなんとか飲み込んでもらいたい。

 

【考察】

0 準備

・テスト用DVD:『らき☆すた』第9巻

・使用シーン:第18話「十人十色」OP

・DVD再生機:PS3(HDD60GB初期型)

・キャプチャーボード:PV4(EARTH SOFT製)

・エンコード&編集ソフト:AviUtl(version0.99g4)

 

1 PS3側の設定

まずはPCにキャプする前にPS3自体の設定。一概に「PS3でアプコン」と言っても、多岐に渡るアップデートも加わりその設定項目もそれなりに重要な意味を持ってきた。以下にざっと自分の設定を見てみることにする。

 

・設定>ビデオ設定>BD/DVDアップコンバート>2倍

[理由]

自分の場合アプコンエンコは最終解像度を1280x720としており、1920x1080よりも720x480の2倍、つまり1440x960にした方が何かと都合がいいため。画質的にもこちらの方が(微妙にだが)上かと。

・設定>ビデオ設定>BD/DVDダイナミックレンジコントロール>自動

[理由]

DVD音声の場合爆発シーンなどで異常に音量が大きい一方、通常の会話シーンは音量が小さくなりがち。それを補正するために自分の場合はこれが必須だが、人によっては元の音を極力弄りたくない人もいるかと思うので、まあ好きなようにすればいいと思う。なお“入”ではなく“自動”にしているのは、特にこれでも問題が見あたらなかったからというだけ。

・設定>ディスプレイ設定>映像出力設定>コンポーネント/D端子>1080i(1080p以外のすべて)にチェック

[理由]

720pでもいいのかもしれないが、エンコ前提なら画像編集でインターレース解除をした方が効率がいいため。

・設定>サウンド設定>音声出力設定>光デジタル>必須のLinearPCM 2ch 44.1kHz、48kHzのみにする(それ以外のすべてのチェックを外す)

[理由]

DVDの場合PCM音源のものもあればAC3(Dolby Digital)音源のものもあるため、後者であってもPS3側でリアルタイムPCM変換させてPV4に認識させるため。

・DVD再生時△ボタン>映像音声設定>フレームノイズリダクション>2

[理由]

あまりかけすぎてもボケるが、できるだけかけた方がいいため。

・DVD再生時△ボタン>映像音声設定>ブロックノイズリダクション>1

[理由]

DVDのMPEG-2自体が度々ビットレート不足を起こすため、そのときに発生するブロックノイズ対策。ただ頻度は少ないため、弊害度も考えて最小値の1。

・DVD再生時△ボタン>映像音声設定>モスキートノイズリダクション>3

[理由]

アニメに対してもっとも効果が大きく、弊害も少ないため。

 

2 キャプチャーボード(ソフト:PV.eve)の設定

次にキャプチャー側の設定。こちらはあまり重要ではないので特に特筆すべきことはないが、一応書いておくとこんな感じ。

・基本は規定値でQuantizerMatrixそのまま、インタレ解除もなし。

・解像度は1920x1080。これに関してはCPU性能とHDD性能、容量との相談になるが、できるだけ出力先の解像度のままキャプった方がいい。まあ素材がアプコンということもありそれほど神経筆になるほどの違いは出ないが、2倍にした横解像度が1440であるため、最低でも1280よりは小さくならないよう1600x1080、ケチりたくても1440x1080を下限として考えておいた方がいいだろう。せっかくPS3でアプコンしたのに、AviUtlで再び拡大処理をするはめになるのは本末転倒以外の何ものでもない。

 

3 AviUtlの設定

さてここからが肝心のフィルター部分の設定。何はともあれ、まずはこれを見て欲しい。

Rakisuta1b

これがPS3側の設定だけで、AviUtlではインタレ解除、クリッピング、リサイズ、色調補正をしただけの代物。いわゆる比較のBeforeにあたる画像である。

まあこれでも十分綺麗なアプコンではあるのだが、よく見るとリンギングが目立っていたりノイズがあったりと更に改善の余地がありそうに思える。

そこで色々と試行錯誤した結果求められたAviUtlの使用フィルタと各種設定がこちら。

※なお紹介順はフィルタ順に則した形で行い、比較のためビデオフィルタのみの紹介とする。またBeforeとの違い(Afterで新たに適用したフィルタ)のみを太字で記載するものとする。

 

自動フィールドシフト(Beforeも適用済み)

[設定]プリセット設定の“映画/アニメ”に準拠。

[理由]お手軽24/30fps混合(の可能性あり)インタレ解除。

そらかけのシュートつぶし(新たに適用)

[設定]閾値:63 縦強度:3 横強度:3

[理由]PS3のアプコンで発生しやすいリンギング(シュート)の低減。意外とかなり使える。

クリッピング&リサイズ(Beforeも適用済み)

[設定]上:77 下:77 左:153 右:147

[理由]クリッピングのみ使用。PS3側の2倍設定で超黒縁化しているため、これの除去。なお左が右より6ピクセル多いのは、何故かいつも左側にのみ輝度変化が見られるため。

※なおBeforeと若干設定を変えてしまったために、最終画像(比較画像のBeforeとAfter)でやや画像位置がずれてしまっている。まあ並べて比較する分には問題ないだろうし、もう一度エンコし直すのも億劫だしで、ここは妥協することにした。申し訳ない。

Lanczos 3-lobed 拡大縮小(Beforeも適用済み)

[設定]X:1280 Y:720 SIMD:SSE2整数

[理由]処理速度重視。アプコン画質のためこれ以上の解像度は必要なしと判断。

ノイズ除去フィルタ(新たに適用)

[設定]強さ:256 範囲:3 しきい値:36 (デフォルト値)

[理由]ノイズ除去。そらかけで除去しきれなかった分のリンギング低減効果もあり。

アンシャープマスク(新たに適用)

[設定]適応量:15 範囲:10 閾値:50

[理由]全体的にシャープさを出すため。やりすぎてリンギングが再発しない程度の値で。

prefilter for nonlinear sharpen & nonlinear sharpen(新たに適用)

[設定]

prefilter for nonlinear sharpen = wight:100 (デフォルト値)

nonlinear sharpen = under:30 noise:20 他:0 参照範囲拡大 underの値をgainに合わせる p-pでノイズ判定する (デフォルト値)

[理由]輪郭強調、後にかけるWarpSharpの効果アップ。

エッジレベル調整 Ver0.7(新たに適用)

[設定]特性:3 閾値:16 他0

[理由]かけ過ぎると新たにリンギングが発生するため、かけてるかな?程度。後にかけるWarpSharpとはまた違ったシャープな輪郭になる。かけ過ぎに注意。

WarpSharp(新たに適用)

[設定]depth:110 blur:3 bump:55 cubic:-6 他0

[理由]上記nonlinenr sharpenやエッジレベル調整、アンシャープマスクとの兼ね合いも考えてデフォルトよりbump値を大幅に減少&depthをやや減少。形が変わらないのを前提に、できるだけシャープな輪郭を実現しつつリンギングの発生を抑えたつもり。

拡張色調補正(Beforeも適用済み)

[設定]Y(offs)19 Y(gain)-41 TV->PCスケール補正

[理由]とりあえず真っ黒画面と真っ白画面を抽出し、ヒストグラムがそれぞれ最端になるように調節しただけ。地デジキャプ時との色調の差異を少なくするのが主な目的。

 

4 エンコードの設定

まああまり関係ないのだが一応書いとく。

使用プラグイン:拡張 x264 出力(GUI) ver 0.3 by seraphy(with afs 7.5a)

設定:プリセット設定“高画質”に準拠。使用しているx264はrev1125。

 

5 完成画像(After)の公開とまとめ

これが完成したAfter画像

Rakisuta1a

ちなみにこっちがBefore

Rakisuta1b

※比較する場合は画像クリック

Beforeと見比べるとぱっと見の印象もかなり変わったんじゃなかろうか。リンギングやノイズも目に見えて減っており、かなりすっきりした感じになった。まあその代償としてエンコ時間が2倍近くになってしまったわけだが…。

人によってはマイナスだという人(とりわけ元の画を重視するような人)もいるだろうが、少なくとも自分としては満足の出来ではある。もしこれを見て自分以外にも「良い」と感じる人がいるようなら、是非一度トライしてみて欲しい。もしかしたらこれよりもずっといい設定が見つかるかもしれない。

※なお前述したとおり、クリッピングの関係で若干BeforeとAfterで画像位置がずれてしまってる。まあご愛敬ってことで勘弁^^;

 

5.5 その他比較用画像一覧

最後におまけとして、(OP部だけだが)その他の比較用画像もうp。

Before

Rakisuta2b

After

Rakisuta2a

Before

Rakisuta3b

After

Rakisuta3a

Before

Rakisuta4b

After

Rakisuta4a

Before

Rakisuta5b

After

Rakisuta5a

Before

Rakisuta6b

After

Rakisuta6a

 

   

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2009年3月 8日 (日)

ヒロイック・エイジ

1

【放送情報】

2007年春~夏放送 2クール全26話

DVDにて視聴

 

【テーマソング】

OP 『gravitation』 angela B

ED 『Azurite』 浦壁多恵 B

 

【スコア】

オススメランク

★★★☆☆ B

 

個別ランク

イラスト

★★★☆☆ B

キャラクター

★★★☆☆ B

ストーリー

★★★☆☆ B

オリジナリティ

★★★★☆ A

ミュージック

★★★☆☆ B

声優

★★★★☆ A

放送画質

☆☆☆☆☆ 無評価

満足度

★★★★☆ A

  

【コメント】

2

イラスト

結構個人的にはプッシュしてきた(つもりの)平井久司さんイラスト。ではあるものの、今回はかなり例外的で他作品より魅力が低下しているように感じた。全体的には平井さんらしさが確かにあるものの、とりわけ眼の描き方に今までと違った変化が見られ、これが自分の中ではマイナスファクターに。人によって考えは違うだろうが、自分としては漫画家のあだち充さんのように一貫して似た絵質を持続している点を平井さんのステータスとして見ていたので、この作品ではちょっと意外な一面を見せてもらった感じだった。まあ最も新しい担当作品『鉄のラインバレル』では絵質を戻してきているので、監督側の要望であったのかなとも思う。

3

キャラクター

もうとにかく中盤以降しょっちゅう登場してくるメレアグロス&アタランテスの陛下コンビがウザ過ぎる。他に主人公のエイジやノドスのカルキノス、メヒタカもやたらとキャラが濃く、男性陣においては結構痛い顔ぶれが多い。が、これを補うようにヒロイン役のディアネイラや他ノドスのユティ、レクティなど、女性陣においては比較的健闘している印象。

5

ストーリー

結構突飛なSFストーリーだが全体としてはそれなりにまとまっており、とりわけ展開の切り替えなどは評価できる。宇宙という壮大な規模で物語は進行していくために、種族やら技術やらの設定面で視聴者が多少置いてけぼりになっている感も受けたが、話を追っていくことである程度は理解することができた。終わり方もなかなかすっきりしていていい感じ。

4

オリジナリティ

はじめは冲方丁&平井久司(あるいはXEBEC&スターチャイルド)おなじみのロボットアクションが主体のアクションアニメかと思ったが、実際はロボットは二の次で、エヴァライクな怪物の如きノドスをアクションのメインとしつつも壮大なスケールを描いた物語。いわゆる星系間戦争を軸として人類の存在意義を終始に渡り問い続けており、その中で感情の重要性、文化の違いが与える影響の大きさ、対話と相互理解の可能性などについても説いている。そのスケールの大きさ故に少々唐突なストーリー展開になってしまっている点も否めないが、少なくとも今までに見たことのないような独自性は持っていると言えるだろう。

6  

声優

テイル&メイル(CV.田村ゆかり&釘宮理恵)やニルバール(CV.ゆかな)など脇役には有名どころがちらほら見られるものの、全体としては知名度で言えばそれほど高い声優陣ばかりと言うわけではない。ただそれでも適役が揃っているのは事実であり、特にハズレだと思われる起用もなく安定したクオリティを維持している。

7

感想・総評

『機動戦士ガンダムSEED』『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』『蒼穹のファフナー』『鉄のラインバレル』など他の平井イラストアニメと比べるとそのキャラクターを存分に活かし切れているとは言い難く、物語も賛否両論に分かれそうな印象。ただそれでも自分はそれなりに楽しめたため、このイラストが好きな人ならDVDを借りても後悔することは少ないだろう。反面、このイラストを受け付けないようであれば回避した方が無難である。

 

 

 

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2009年3月 2日 (月)

MP4動画ファイルの扱いについて

【はじめに】

最近やたらとプッシュされてきているMP4(H.264)。自分も随分と世話になり、もはや動画圧縮ならこれしかないという位置付けにまできているのだが、PC分野ではまだまだハードウェア支援も完璧とは言えず(一応製品として出てはいるが完璧とはほど遠い)、自由度を考えても激重のソフトウェアエンコが主流なのは当分変わりそうもない。

と、前置きはこれくらいにして今回の本題。このMP4ファイルなのだが、確かにH.264(x264)は圧縮面において他を寄せ付けないクオリティを持っており、その質も日々進化し続けている。しかしその反面、AVIなどに比べると色々と取り扱いが面倒な点があるのも事実であり、自分も導入当初は何かとググりまくった一人だ(というか今も結構ググっているのだが)。

そこで今回、自分が何かと壁に当たった点についてここにまとめてみようと思う。あくまで初心者用のため当たり前なことが多いだろうが、少しでも自分のようにつまずいてしまった人の助けになれば幸いだ。

 

【MP4(映像)ファイルの音声合成(MUX)】

まずは基本のMP4+AACのMUX方法から。これは当然の如くMP4Boxを使うのだが、問題は使い方。Yambという便利なGUIソフトがあるのでこれを導入する人が多いと思うのだが、なぜか自分の環境(Vista 32bit)ではうまく動作してくれなかったため、そういう人のために常人にはかなり敷居の高い(と思われる)コマンドラインでの実行をできるだけ簡単に説明したいと思う。

手順

1 まずはコマンドプロンプト(コマンドライン)を実行する。これは左下のウィンドウズボタン→アクセサリフォルダ内にある。

1 で、こんな感じの画面になったと思う。

2 2 今度はここにMP4Boxを実行するためのコマンドを記述する。だいたいの人はここでつまずいてしまうだろう。

…いや自分がそうだっただけなんだが。

とりあえず意味がわからずとも、次のようにしてみればやりたいことはできるとおもうのでやってみて欲しい。

まずはMP4BoxをDLしたら「C:\Users\(ユーザー名)\MP4Box-0.4.5\MP4Box.exe」となるようにDLしたフォルダの名前変更&移動。別にこれでなければ駄目というわけでもないのだが、以下の説明を簡略にするため今はこうしておいて欲しい。なおMP4Boxはver.0.4.5を使用した場合を想定している。

次に、いきなりコマンドラインに書き出すのではなく、メモ帳を開いてここに書きたいコマンドを書いてみる。これはコピペや修正をしやすくするためだ。メモ帳もアクセサリフォルダにあると思うので、何も考えずそこに「MP4Box-0.4.5\MP4Box.exe -add "(場所\ビデオファイル名).mp4"#video -add "(場所\オーディオファイル名).aac"#audio -new "(場所\新ファイル名).mp4"」をコピペ。()には「D:\動画\インデックス」など、合成したい素のmp4とaacの所在を記載する(わからなかったら対象ファイルを右クリック→プロパティ→場所をコピペし、そこに\ファイル名を書き足せばOK。なおカッコ自体は記載しないこと)。

メモ帳に書き出したコマンドをコマンドラインにコピペ。

例としてはこんな感じ。

3_2

この場合は「Dドライブの動画フォルダにあるインデックス.mp4とインデックス.aacを合成し、インデックスmux.mp4というファイルを同フォルダに生成する」ことを意味している。なお上書き対策のためにも生成ファイル名は合成前の映像ファイル名と変えておいた方がいいだろう。

あとはこれでエンターキーを押すだけでMUXは完了する。

 

【aacファイルの生成-neroAacEncの利用-】

合成するためのaacファイルを生成するための説明。これも基本はコマンドラインを使用するが、aacファイルの生成くらいなら色々なフリーソフトが対応しているので、どうしてもneroAacEncを使いたい人だけ見て欲しい。まあ例によって基本だけなのだが。

手順

1 まずMP4Boxの時と同様にコマンドラインを開く。

2 次にDLしたneroAacEncのフォルダ名を「neroAacEnc」にしてCドライブ直下に置く。

3 メモ帳開いて「neroAacEnc\neroAacEnc.exe -q 0.365 -if (場所\入力ファイル名).wav -of (場所\出力ファイル名).aac」をコピペ。

4 ()に入力したいwavファイルの所在と出力したいファイルの所在を記載(カッコ自体は記載しない)。

5 3で赤文字になっている部分=変換オプションなので、ここを自分の好きなように変える。とりあえず基本はこんな感じ。

 

VBR

AAC 300~kbps="-q 0.740"

AAC 250~kbps="-q 0.625"

AAC 190~kbps="-q 0.515"

AAC 160~kbps="-q 0.430"

AAC 125~kbps="-q 0.365"

AAC 100~kbps="-q 0.315"

AAC 65~kbps="-q 0.220"

AAC 56~kbps="-q 0.190"

AAC 48~kbps="-q 0.170"

AAC 32~kbps="-q 0.125"

 
LC

(ex)AAC-LC 320kbps="-lc -br 320000"

 

HE

(ex)AAC-HE 128kbps="-he -br 128000"

 

HEv2

(ex)AAC-HEv2 48kbps="-hev2 -br 48000"

 

6 メモ帳からコマンドラインにコピペ。

例としてはこんな感じ。

4 この場合はCドライブ直下にneroAacEncFinというフォルダを作り、そこに変換したいindex.wavというWAVファイルを移動させた状態で、同フォルダにAACファイルを生成することを意味している。これはneroAacEnc.exeが日本語のフォルダ指定でエラーをはいたため、あえてアルファベット表記のみにしたため(おそらく回避方法もあるのだろうが)。

7 エンターを押して実行、完了。

 

【MP4(動画)ファイルの結合・分割】

これも最初はかなりの人がやろうと思って四苦八苦するところだと思う。またしてもMP4Boxが大活躍するわけだが、さすがにこうコマンドラインを連発していてもきついものがあるため、今回はUniteMovei&CutMovieを使ってみる。これはMP4Boxを組み込んだGUIのようなものでもあるのだが、ほぼすべての動画形式に対応しており、これ一つあれば大抵の動画の結合&分割ができてしまう優れものだ。ただプレビューできないのが唯一の難点であり、分割については何か他の動画再生ツールで分割場所の時間を確認する必要がある。

まあこれは作者様のサイトに詳細な説明があり内容もシンプルなので、手順の記載は省くものとする。おそらく起動してみればなんとなくわかるだろう。

 

【x264を使ったエンコードについて】

記事エンコードのお話を参照。

 

【最後に】

さてここまで主にMP4(H.264)の映像と音声のMUX、AAC音声ファイルの生成、MP4(H.264)の編集について見てきたわけだが、基本的にAviUtlは使わない前提で書いてきた。というのも、ここまで書いておいてあれなのだが、AviUtlを使えばこれらすべてのことが一通りできてしまうのである。seraphyさんのx264guiを使えばこれらが一括して行えてしまうほか、同氏が別に公開しているMP4Pluginにより編集もサポートされている。

ではなぜあえてそれ以外の方法を示したのか。それはseraphyさんのツールではMP4生成処理が一括で行え便利な反面、その途中で瑕疵が起こりプログラムが停止してしてしまった場合途中からのやり直しは利かず、一からのやり直しをせざるを得ないためである。たとえば長いx264エンコードを終えて音声の処理に入ったとき、そこでプログラムの切り替えがうまくいかず音声ファイルだけが生成されなかったり、音声ファイルの生成に成功してもMUX処理で落ちてしまったりといったことがある。そうしたとき、また長い長い映像部分のエンコードからやり直すというのは非常に億劫というものだ。よって、そうした場合の救済措置というのが今回の主な趣旨だと思って欲しい。

ただ編集作業においては「そもそもx264guiすら関係ねえじゃん」って感じだし、MP4Pluginを使ったAviUtlでの編集の方が何かとやりやすいしで、UniteMovei&CutMovieは「数少ない無圧縮出力可能なMP4編集ツールとして留意しておいてもいいんじゃね?」程度でしかない気もしたりしなかったり。

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