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2010年2月14日 (日)

AviUtlで地デジの古いアニメを補正してみる思索 & NL-Meansの使い所

更新はもとより久々すぎるエンコのお話。今回はテレビ欄を探せば必ずひとつは見つかるであろう、十数年以上前のビデオ時代全盛期アニメの補正についてである。

この頃のアニメと言えば、デジタル処理でないため常にブレが発生していたり、現在残っている元映像自体状態があまりよくはない。そのため(ほぼ)強制的にアプコン処理されて放送される現在の地デジ放送では、変に拡大処理が入ることで更に酷いことになっている場合も多い。だからといって、古いアニメには古いアニメなりの良さがあり、せっかく放送されているのにみすみす保存を諦めるというのも癪である。そこで自分なりに試行錯誤してみた結果、なんとか保存しておこうと思えるレベルには補正することが出来たので、それを以下に記載していこうと思う。

この手のアニメでよくみられる画質劣化要素として、過度の輪郭強調によるリンギングと、当時のアナログ処理によるノイズが共に盛大に発生している点が挙げられる。これから話す補正処理は主にこの2点に着目し、画面ブレ等その他の要素は(手間や処理速度などにより)効率の面から除外するものとする。

検証素材として、先日までTOKYO MXで放送されていた宮崎アニメ「未来少年コナン」を例として挙げてみる。

Before

これは第25話「インダストリアの最期」の1シーン。画像をクリックして等倍表示(AviUtlにより縮小のみした状態のため、画像サイズは960×720)にしてもらえばわかりやすいと思うが、上記悪要素が漏れなく搭載されているのがわかる。まずこのリンギングをどうにかするため、「そらかけのシュート潰し」フィルタをかけてみる。

Photo

フィルタ設定はデフォルトのままだが、幾分か改善された。が、まだ中途半端だ。次に「リンギング低減」フィルタを重ねてかけてみることにする。

Photo_2

こちらの設定は数値はすべて0で、Highにのみチェック。リンギングに関してはかなり改善された印象で、これ以上やってもボケ方向への劣化が目立ってしまうだけなので、これで良しとした。ちなみに「そらかけ」「リンギング」各フィルタをそれぞれだけでも色々と設定を弄ってみたのだが、縦方向と横方向のリンギングをバランス良く低減するためには併用するのがもっとも効果的であった。

あとはこれまた盛大にのったノイズだ。これだけではわかりにくいかもしれないが、単一色部分(空や服、機械部など)を見てもらうとわかりやすいと思う。前後1フレームずつ動かしていくだけでもザラザラとしたノイズがわかるレベルだ。ここまでくると、もはや内蔵のノイズ除去だけではどうしようもない。そこで活躍するのが「NL-Means」フィルタである。ただこのフィルタはかなり重いため、GPU支援の期待出来ない自分の環境では上記フィルタからGPU機能を省いた「NL-Means Lite」を使っている。設定は上から2,52。ちなみにこのフィルタは、強力すぎるため使用には注意が必要な反面、先に補正したリンギング低減箇所を更に自然と溶け込ませる作用もある。

最後にリンギング対策の代償としてボケた輪郭を(リンギングが再発しない程度に)補正し直すため、「非線形処理な先鋭化」とその前置きフィルタをかけ(設定はデフォルト)、「WarpSharpMT」フィルタ(設定は上から110,3,70,-6)で仕上げて完成。

After

これが完成図。一応下記にbefore、afterとして再度アップしておく(内容は最初の補正前画像とすぐ上の完成図と同じ)。

before

Before

after

After

(2010/2/15追加UP)

before(顔部分切り出し3倍拡大版)

Beforeup

after(顔部分切り出し3倍拡大版)

Afterup

画像をクリックしてそれぞれを等倍表示し、重ねて比べてみて欲しい(※顔部分切り出し3倍拡大版画像も追加UPしたので、そちらの方が比較しやすいかも<2010/2/15追記>)。ややのっぺりしてしまった感も受けるが、まあ最初の見るに堪えない画像に比べればかなり改善出来たと思っている。ただ(お決まりの文句ではあるが)何を重視するのかによって意見は人それぞれであるため、あくまで参考程度ということで。

 

とりあえず古いアニメの補正というメインテーマはここまでとするが、ついでに今回使用した「NL-Means」というフィルタの使い所についても話しておきたいと思う。

前述したように、このフィルタは強力故に弊害も大きいため、使い所には注意しなければならない。特にアニメ絵では、あきらかに目に見えるだけのノイズ低減処理をさせていると、確かにノイズは内蔵フィルタとは比較にならないほど消えているのだが、同時に必要な情報まで欠落してしまったり、のっぺりした油絵のような状態になってしまうことがある。以下の画像がその例だ。

Nlbig

これは「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」のとある場面で、ランプの一部をわかりやすく拡大表示したものだ。ちなみに元画像はこれ↓

Nlori

これに先ほどの「未来少年コナン」と同設定の「NL-Means Lite」を当ててみると…

Nlbig_2

おわかりいただけるだろうか?ランプの輪郭、特に横に二本ある線のうち、下の方が明らかに消えかかっている(※比較用として、下の方に別途横並べした画像あり)。設定としては決して強くはないのだが、それでもここまでの効果があるためあまり常用はオススメできない。私は必要に応じて使い分けているが、基本は内蔵のノイズ除去フィルタを弄って使っている。仮に常用するのなら、(おそらく思っているよりも)かなり弱くかける程度にしておいた方が無難だろう。明らかにノイズが減っているとわかる程度にまで設定を上げる(基準はデフォルト設定以上)と、このランプの輪郭はほとんど消滅してしまう。

最後に蛇足ではあるが、このNL-Meansフィルタ、見た目の効果は高いが、ノイズ除去系の特徴でもある「完成後のファイル容量節約に繋がる」という観念がなぜか当てはまらず、むしろファイル容量が肥大化してしまう傾向にある。正確な理由はわからないが、どうも「特殊な処理により目に見えない余計な高周波成分が残ってしまう」ためだそうだ。こいつをどうにかする方法は、NLのあとに通常のノイズ除去系フィルタをほんのりと上乗せしてやるしかない。多少ベストな設定が見つけづらくなるかもしれないが、私としてはこの方法もオススメしたいところである。

以上となるが、おなじみ(?)のbefore、afterで締めとする。

左=before(NLなし)、右=after(NLあり)

Nlbig_3 Nlbig_4

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上=before(NLなし)、下=after(NLあり)

 Nlori_2

Nlori_3

 

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