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2010年3月

2010年3月30日 (火)

クロスゲーム

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―― 放送情報 ――――――――――――――――――――

2009年4月-2010年3月

4クール全50話

テレビ東京にて視聴 HD画質

 

―― テーマソング ―――――――――――――――――――

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2_2 OP 『Summer rain』

                 コブクロ

47251265935295_r_43_4 1クール目ED 『恋焦がれてみた夢』

                          絢香

47251265935295_r_24 2クール目ED 『オレンジDays』

                    SQUAREHOOD

47251265935295_r_35 3クール目ED 『燃えるような恋じゃないけど』

                                                        鶴

23461265935268_r_26 4クール目ED 『リハーサル』

                         近藤夏子

※第50話専用のEDもあったが、1話だけなのでこちらは省略。

 

 

―― 個別ランク ――――――――――――――――――――

 

【キャラクター】

16261265935206_r あだち作品すべてに共通していることだが、その魅力はなんといっても登場するキャラクター。どの作品も顔や性格が似た人物が多いものの、だからこそひとつを好きになればすべてが好きになる。とりわけ穏やかな中にも熱いものが垣間見える主人公は、典型的故に万人に好まれるような設定だと言えよう。ツンデレ系の幼なじみやおなじみのマスコットキャラ、チームメイトにはクールな天才からボケ担当まで個性的な役者が揃っている。

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【ストーリー】

23461265935268_r_3 これもタッチやH2など有名な野球漫画を世に送り出してきただけあって、似つつも決して同じでない緊迫した試合展開と、それ以外の大半を占める多彩な人間模様を描いた日常描写のバランスが秀逸。これまでの作品とはかなり異なった「いきなりヒロインが死んでしまうという」という設定も最後まできちんと活かされており、一見ゆったりとした日常描写の中にも随所にシリアスをちりばめることで、全体を通して奥深さのある作品に仕上がっている。

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【声優】

23461265935268_r_4 あまりのハマり具合に驚いたというのが素直な感想。すべてのキャラクターの声が原作を読み思い描いていたものとドンピシャだったのもそうだが、個人的にはまさか青葉に戸松遥さんが来るとは夢にも思っていなく、それだけにあそこまで合っていたことが一番の驚きだった。戸松さん意外に目立った顔ぶれはいないものの、主人公光役の入野さんからあかね役の神田さんまで、それぞれが理想のキャラを作り上げている。

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―― 総合ランク ――――――――――――――――――――

16261265935206_r_2 上記に挙げたそれぞれの要素もさることながら、実際はアニメ終了直前に原作の連載が終わったばかりという状態で、よくもまあこれだけ上手くまとめ上げたものだと思う。4クール作品とはいえ、こうした連載中漫画のアニメ化は尺の関係でテンポが乱れたり終わりが雑になったりしがちなものだが、この作品に関しては一貫して原作に忠実、かつ終わったばかりの原作に即した綺麗な終わり方を実現させている。アニメ化により損なわれた魅力もほとんど感じなく、逆に動きがあることで試合のリアリティは上がっており、HD放送ということも相まって非常に高水準にまとまった作品。放送時間帯もワンピースなど有名所が揃う日曜朝であったため、この作品からあだち作品が好きになったという人も多くいるのではないだろうか。あだちファンの自分としては、そういった人には是非過去の作品群も読んでもらいたい。

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2010年3月28日 (日)

【抱き枕】ふにプニクッション 160x50cm シリコン綿+20%増量

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完全受注制のオリジナル抱き枕。詳細情報や購入方法は公式HP参照。 

 

―― オススメランク ――――――――――――――――――

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―― 個別ランク ――――――――――――――――――――

 

【肌触り】

16261265935206_r_2 2WAYトリコットという縦横2方向に伸縮する素材で、1方向にのみ伸縮するスムースと並んで「水着素材」と言われることが多く、その中でも特に肌触りがいいとされる素材。実際非常にもちもちサラサラしており、触っていてとても気持ちが良い。

 

【抱き心地】

23461265935268_r 中材のシリコン綿を+20%増量したこともあり、かなりふっくらとしていて2WAYトリコットとの相性抜群。これは受注だから出来る柔軟な対応だが、逆にデフォルトの綿量だとやや少ないという評価も。サイズも自由に設定できるが、自分の選んだ160x50cmという(あの類の)サイズは、身長よりやや短いくらいなので十分すぎるボリュームがある。

 

【耐久性】

44371265935323_r 2WAYトリコットのデメリットともいえる耐久性。抜群の肌触りと伸縮性の対価として、ひっかき傷といった局所的なダメージにかなり敏感。まあ普通に使ってる分には問題ないし、カバーを付ければいいだけの話だが、とりあえず肌が荒れている人や爪が長い人は注意が必要。また中材のシリコン綿は比較的へたりにくい方だと思うが、それでも綿は綿。使っていくうちに段々とへたっていくのはどうしても避けられない。抱き心地は変わるが、へたりにくさを重視したいなら上位製品のパウダービーズ抱き枕「ドリピふに」という選択肢もある。

 

【汎用性】

23461265935268_r_2 ぶっちゃけ大人の抱き枕カバーしかないのが現状だが、この160x50cmというサイズが最も汎用性が高いと言える。というのも、市場に多く出回っているカバーサイズが150x50cmないし160x50cmのものばかりであり、カバーが伸縮する素材でさえあればその両方に対応できるため。伸縮しないサテンといった素材のカバーもあるが、抱き心地や肌触りの面を考えると、よほど惚れこんだ絵でもない限り選ぶことはないだろう。

 

 

―― 総合評価 ――――――――――――――――――――

16261265935206_r_3大人のカバー用というのが今やメジャーな用途かもしれないが、純粋な抱き枕として考えてもかなりクオリティが高い製品。単に気持ちよく寝るための寝具としてひとつ買っておいてもいいかもしれないが、それだと160x50cmというサイズはやや大きすぎる印象。購入する際サイズが任意指定できるので、自分の身長やベッドの大きさ、収納スペースなどを考慮して、ベストなサイズを割り出しておくことをオススメする。

また「ふにプニクッション」というこの製品自体は完全オリジナルの受注製品なため、上記公式HPからしか購入することが出来ない上に発送まで2週間近くかかるが、これとほぼ同様の製品としてセベリスライクラ(改)と銘打った製品も発売されている。こちらはキャラハイ(同店名義でAmazonのマーケットプレイスでも扱っている)などで普通に購入可能なので、アダルト目的かつなるべく早く手に入れたいという人はこちらの製品でもいいかもしれない。

 

   

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2010年3月24日 (水)

TSを5.1ch音声のままMP4にしたい思索

Ccsakuraps3cap

今まではTSの5.1ch(aac)番組をエンコする際、BonTsDemuxで扱いやすい2ch(wave)に変換することでとりあえずのmp4動画へとしてきていた。

だが今回、BS2の劇場版カードキャプターさくらが5.1chで放送されたことをきっかけに、5.1ch音声のままmp4コンテナに収めることも覚えておいた方がいいなということで今回の思索。

そもそも自分の環境では5.1chくらいはかなり前から揃っていたのだが、地デジでは5.1chソースが少ないこと、また5.1chでもその効果が微妙な作品が多かったことから、あえて調べようとすらしていなかったのがこれまでの現状で、もっぱらPS3やXbox360のゲーム専用と成り下がっていた。しかしこのカードキャプターさくらは、アニメながらに四方八方から音が出る出るwこれはそのまま残すべき、と思わせるだけの力があった。

さて本題に入る前にちょっとわからないことがあったので調べてみたのがこちら↓

 

①何よりmp4コンテナに5.1chのマルチチャンネル音声が格納できるのか?

②出来たとして、2chPCで普通に再生できるのか?

③PS3ではちゃんと5.1ch再生されるのか?

 

①はちょっと調べたら、MP4boxの更新の中で格納機能がついたらしいことが判明。

②は普通にPCで視聴できること、③は5.1ch再生環境を活かすための手段が現状これしかなかったため、これが不可ならそもそもやる意味がない、ということで調べてみた。まあ検索段階ではあまり確証を得られなかったが、結果として②③もなんの問題もなかったことだけは先に明記しておくことにしよう(本記事トップに貼ったPS3再生画像参照、きちんと5.1ch出力されていることがわかる)。

 

ではここからが本題。

自分なりに色々と試した結果、最も有力な方法として以下の2パターンに落ち着いた。

 

[1] TSを映像部分を先にエンコ、音声部分は分離時に6つのwaveにsplitし、それぞれを映像の編集内容と同期。これをひとつの5.1ch(6ch)waveに格納し、そのままaacにエンコ。最後に映像部と結合(mux)。一般的にはこっち。

[2] PS3にてTSを再生し、PV4でキャプ。その際PS3側の音声出力設定でaacにチェックを入れておき、5.1chのままDVファイルに格納。AviUtlでエンコする際、x264guiにて音声出力をext_bs.exeにて処理してやれば、映像に合わせて編集済みの5.1ch音声(再エンコなし)がそのままmuxされる。BS2のようなSDものの場合は、PS3によるアプコンの恩恵も受けられるためこちらの方が有利。作業工程も[1]より圧倒的に少なく、[1]で上手く映像と同期が取れない時の最終手段としても重宝する。

 

でまあその方法だが、[1]から順に記載していく。

[1]1st TSの映像と音声をdemux

BonTsDemuxを使う。その際設定を変えて2回に分けてやっておくと吉。

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最初がこちら。ほぼデフォルトの状態で、純粋に映像+音声に分離する。後の検証、保険として、ここでの出力音声は2ch:wave

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次がこちら。今度は音声のみで、メインの強制5.1ch(split)を選ぶ。なお最終的にどうしても映像と音声の同期が狂ってしまう場合、右側のVideo Frame補完にチェックを入れることで解決できることもある。今回のケースでは特にチェックを入れなくても同期出来たので、通常はノーチェックで良いだろう。同期出来ている状態でチェックを入れても悪影響でしかない。

 

[1]2nd AviUtlで映像部の編集

ここではメインではないためAviUtlの使い方やらx264でのエンコ方法やらは省くが、重要なのは以下の2つ。

・一応音声読み込みにて2ch:waveを読み込んで、映像と一緒に編集しておく。音声の波形表示にて映像と同期が取れているかも一応確認。

・一通りの編集が終わったら、エンコせずに編集プロジェクトの保存を行う。その後エンコを行うが、あえて映像のみにしないで、音声も一緒にエンコ→muxしてしまった方がいいように思う(保険的な意味で)。まあmp4のdemuxなんていつでも出来るし…。

 

[1]3rd splitした6つのwaveをそれぞれ編集

[1]2ndにて保存した編集プロジェクトを使う。まずはsplitした6つのwaveを見てみよう。ここではあえて入力ファイル(TS)の名前を“a”としておくと、

a-C.wav(定位:センター)

a-FL.wav(定位:フロントレフト)

a-FR.wav(定位:フロントライト)

a-LFE.wav(定位:ウーファー)

a-SL.wav(定位:サラウンドレフト)

a-SR.wav(定位:サラウンドライト)

という6つに分かれていると思う(それぞれの定位はカッコ内を参照)。

まずは[1]2ndの編集に使われたwave:2ch(仮に“a.wav”とし、上記6waveと同一のフォルダにあることを前提とする)のファイル名を“a-2ch.wav”とでも変更しておき(いらないようなら削除してしまっても構わない)、上記6つのwaveのどれかひとつのファイル名を“a.wav”に変更し、AviUtlで先ほどの編集プロジェクトを開く。

そこで「ファイル>WAV出力」を選び、オーディオ圧縮を選択。

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上記のように設定(16ビット:モノラルPCM)し、ファイル名を元のファイル名(仮に“a-C.wav”を“a.wav”と変更して読み込んでいた場合は、“a-C.wav”)にして出力。これと同作業を6つのwaveすべてに行うことで、すべてのwaveが映像と同期した状態に編集されたことになる。

 

[1]4th 6つのwaveを1つの5.1ch(6ch)waveに格納

これにはBeSweet(リンクページ内右上のstable:安定版かbeta:ベータ版をクリックした先にてDL可)と、そのGUIツールであるBeLight(リンクページ内DownloadクリックにてDL可、バージョンはお好きなものをチョイス)を使う。とりあえずはDLしたBeSweet.exeをBeLight.exeと同フォルダに配置しよう。念のため、解凍したBeSweet.exeと同フォルダ内にあるすべてのファイルをBeLight.exeと同フォルダに移動させておくと吉。

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BeLight.exeを起動したら、「Options>Language>Japanese」で日本語表示にしたあと「ファイル>多重化ファイルの作成」をクリックし、上記のウィザードを表示させる。出力形式の選択で「WAV」を選択し、「この.muxファイルを入力ファイルとして自動的に読み込みます。」にチェック。あとは右上の図のFL、C、FR、…をそれぞれクリックし、[1]3rdで編集した該当ファイルを各々指定。「保存」をクリックし、出力先と出力ファイル名(“a-5.1ch.mux”とでもしておけばよい)を決めたら「OK」を押す。

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上の四角いスペースにチェックの入った状態で先ほどのmuxファイルが登録されているはずなので、上の画像ように設定(左側の設定はお好みで、ノーチェックでもOK)し、「処理開始」を押せば、先ほど設定した.muxファイルと同名の.wavファイル(上記の例だと“a-5.1ch.wav”)が出力される。なおこの先のMP4boxやneroAACEncでもそうだが、ファイル名やフォルダ名が日本語だったりすると上手く処理できない(読み込めない)可能性が高いので、その場合は上記例のようにファイル名を“a”などとし、デスクトップにでも“test”などの簡易的な臨時フォルダを作ってそこにコピーしてやるといいだろう。

※今回はwave出力→aacへと変換(次の[2]5th)としたが、普通はBeLight(BeSweet)だけで5.1ch:aacに直接出力出来る。ただなぜか自分の環境ではaacがどうしても出力されなかったため、そうした人のための記事だと思ってもらいたい。普通に出力できる人はそちらでいいだろう。

 

[1]5th 5.1ch:waveを5.1ch:aacに変換

ここから先は簡単。neroAACEncを使ってそのまま上記で作成した5.1ch(6ch)waveを普通にaacエンコしてやれば、5.1chのaacが出来上がる。なおneroAACEncの使い方についてはこちらの記事を参照。

 

[1]6th 映像(mp4)と音声(5.1ch:aac)をmux

この際、[1]2ndで音声をすでにmuxしたmp4を作成していた場合は、(これも念のため)別フォルダにコピーしておき、MP4boxで音声と分離(demux)したのち、上記で作成した5.1ch:aacと再度結合(mux)する。MP4boxの使用にはYambを使うか、muxのみは先ほどと同様こちらの記事を参照。

 

[1]7th 完成と検証

これで5.1ch:aacなmp4が出来上がったと思う。しかし5.1chソースの編集は何かと同期ミスが起こりやすいようなので、出力されたmp4を再生して要チェック。もし同期が取れていないようなら、[1]1stのVideo Frame補完やAviUtlの音声の位置調整などを試してみよう。それでも解決しないようなら、素直にここでの5.1chは諦めて最初にエンコした2chなmp4で我慢しておいた方が賢明だろう。一応2ch:waveでもmuxしておいた方がいいと書いたのは、このためである。

ただ、それでもどうしても5.1chが諦めきれないという場合、もうひとつの[2]でなんとかなる場合もあるので、そちらも紹介しておこう。

  

[2] PV3/4を使う

FriioやPT1/2によりTSそのものの取り込みが可能になる以前、大変重宝がられたアースソフトのPVシリーズ。それが今回も活躍する。

このPVシリーズ、音声の通常デコードはwaveで取り込んだものにしか対応しないのだが、長年の台頭から数々の便利なソフトが登場し、ビットストリーム出力(TSならaac出力)された音声を格納したDVファイルからも、そのままaacを取り出すことが可能となっている。それを利用したのがこの方法。

使うのはおなじみAviUtlとx264guiのセット、それにext_bs.exeによる処理を加えてやることで達成する。ext_bs.exeの使い方はx264guiがGUIの役目も果たしてくれるので、こちらで設定してやれるだけでOK。

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右側の音声設定で、エンコーダに「PVシリーズ AAC分離用」を選択し、ext_bs.exeの場所を指定してやればいい。あとは普通にx264エンコすれば、自動的に音声のmuxまで行ってくれる。当然5.1chなら5.1chのままで、しかも編集も反映されるので、どちらが楽かと言われれば文句なしに[1]よりこちらだろう。前にも述べたが、特に今回のようなBS2というSD映像の場合、PS3を用いることができるこちらの方がすべてにおいて有利なように感じている。

また仮に[1]で映像との同期が取れなくても、こちらでは再生機側がきちんと再生さえしてくれれば問題ないため、改善される可能性が極めて高いという点も特筆すべき事項だろう。

 

以上、よりオーソドックス方法として[1]を中心に書いてきたが、「あくまでPV3/4を持っていれば」という前提が必要となるものの、「より手軽に」という観点からなら[2]の方が実は現実的かもしれないという結論に。TS時代となった今でも、PV3/4は何かと使い道があることを再確認した今回の思索。PT1/2含め、時代は変わってもアースソフト様々である。

 

(2010/7/31追記)

どうせできないと思っていたのでやらなかったが、やってみたら5.1chAC3も普通にMP4コンテナに格納でき、またPS3とMPCでも再生できることを確認した。

WAVEは4GB制限があり、2時間を超える映画などには上記の方法では対応できないことがある(BeLightがRF64をサポートしていない?ことから、1つの5.1chWAVEファイルにする段階でぶつ切りになってしまう)ため、どうしても対策が打てないようならBeLightの段階で5.1chAC3にしてしまうのも手かもしれない。

 

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2010年3月 6日 (土)

AviUtlの「透過性ロゴフィルタプラグイン」 ロゴが消える箇所への対処法

要はデジタル放送で付加された局ロゴを取るための作業ということになるのだが、初めて使った人がまず躓くであろう点が「ロゴのない部分だと逆に変に暗転したロゴが付加されてしまう」ことだと思う。

AviUtlとこの透過性ロゴフィルタの使い方さえ熟知していれば自己解決に至ることも可能であろうが、そこに至らなかった人のためにその対処法を以下に記載することにする。

 

まずはBS11放送アニメ『.hack//SIGN』から、10フレームのみをサンプルとして挙げてみる。※見やすいようロゴ部分のみを3倍に拡大表示済み。

1

この時点では放送時そのままのロゴが表示されている。

さてこれに透過性ロゴフィルタをかけてみよう。

1_2

このフィルタならではの特徴でもあるが、解析さえきちんとされたデータを使えばここまで綺麗に消すことが出来る。

しかしフレームを徐々に移動させていくと…

5

4フレーム目までは1フレーム目同様綺麗に消えているが、5フレーム目でうっすらと反転表示されたようなロゴが浮かび上がってくる。透過性ロゴフィルタを切ってみるとどうだろうか。

5_2

こちらもうっすら。つまりロゴがフェードアウトする、まさにその中間にあたる部分だいうことがわかる。

※なおBS11のロゴについては、このフェードアウト部分が1フレーム以内であるために、場所によってあったりなかったりするので注意が必要。今回は説明のため、あえてある部分を抜粋することにした。

一応更にフレーム移動させてみると…

6

6フレーム目から最終フレーム(10フレーム目)にかけて、今度ははっきりと暗転したような表示が続く。これは6フレーム目以降は完全にロゴが無くなっているためだ。ちなみにこちらも透過性ロゴを切ってみると…

6_2

当然のごとくロゴはない。

このサンプル動画の構成をまとめると以下の図のようになる。

71

ここで解決すべき内容をあげてみると、以下のようになる。

①ロゴのない部分だけ透過性ロゴフィルタを切る。

②フェード部分の対処。

 

まずは①からだが、結論から言うとAviUtlの一時プロファイル作成機能がその答えとなる。では実際に順を追ってやってみよう。

なお以下の解説は、あらかじめ透過性ロゴを適用した状態から始めるものとする。

1_3

※画像をクリックで別ウィンドウに等倍表示。

AviUtlでロゴの全くない6フレーム目を開始地点、10フレーム目を終了地点に設定し、編集項目から「選択範囲を新しいプロファイルにする」を選択する。

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すると選択範囲のみ、画像のように#temp○[○]という表示になり、一時プロファイルが作成される。ここでは初めて作った一時プロファイルなので#temp1[1]となっているが、一時プロファイルを作る毎に○の中の数字は2、3、4、…と上がっていく。

また、試しに選択範囲外のフレーム(この場合は1~5フレーム)を選んでみるとわかるが、選択外のフレームにはこの表示はなく、デフォルトのプロファイル名が表示されている。

3

確認が出来たら先ほど選択した一時プロファイルのフレームに戻り(選択範囲内ならどのフレームでもOK)、ここで初めて「透過性ロゴ」フィルタのチェックを外し、非適用にする。この際「透過性ロゴ」の設定画面から、「プロファイル境界をフェード基点にする」にチェックをしておこう。 これは次に説明する、フェード部分の対処で必要な処理となる。

※追記 上記の「プロファイル境界をフェード基点にする」へのチェックタイミングですが、これだとデフォルトのプロファイル設定でノーチェックとなる可能性がありますので、AviUtlを起動したらすぐ(動画ファイル読み込み前)にチェックをしておくようにして下さい。一度チェックを入れたら以降はずっとそのままでOKです。

フィルタはプロファイル毎個別に適用されるため、これでデフォルトの1~5フレームでは「透過性ロゴ」がON、6~10フレームでは「透過性ロゴ」がOFFに設定されたと思う。なお作成される一時プロファイルの設定は作成される直前のプロファイル設定を踏襲(コピー)するため、その他の設定を最初から見直す必要はない。

 

これで①の対処は完了したが、まだ②のフェード部分の処理が残っている。

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今度はフェード部分の1フレームのみの変更なので、該当部分の5フレーム目のみを開始&終了地点に設定し、先ほどと同様に「編集>選択範囲を新しいプロファイルにする」を選択。

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前述したように、今度は2つめの一時プロファイルとなるので表示が#temp2[2]となる。

6_3

透過性ロゴの設定だが、これも前述したように一時プロファイルの設定は直前のプロファイル(ここではデフォルト)を踏襲するため、今回もすでに「透過性ロゴ」フィルタにチェックが入った(適用済み)状態になっていると思う。しかし今回の処理は、透過性ロゴを適用した上でその透過レベルを弄る必要があるため、チェックを外さずにFadeIn(Outでも可)を0→1に変更する。これで通常の透過率を50%にした「1フレームフェード」の設定は完了する。

ただ、今後のためにもここでひとつ注意して欲しいことがある。それは局ロゴによってはフェードするフレーム数が1フレームとは限らないということである。まあ具体名を言ってしまえばTBSがその最たる例(というか自分の環境ではTBSが唯一)なのだが、この場合は始まりと終わり(フェードインかアウトか)、およびその開始地点と終了地点を見極める必要があり、しかもフェード工程が透過性ロゴの規則性と一致しないため、完璧を求めるなら1フレームごと一時プロファイルにして設定を変更していく必要がある。

一応上記に該当する人もいると思うのでその場合の設定方法も書いておくが、FadeIn(Out)を使えない1フレームずつの処理の場合、「透過性ロゴ」フィルタ設定の「深度」を弄ることでなんとかなる。この場合はデジタル思考の規則性などは一切考えず、アナログ思考に切り替え、実際に目でロゴ部分を見ながら深度バーをスライド(主に左方向)させていき、上手く消える数値を見つけ出す。

しかしこの作業は、ロゴ自体が緩やかにフェードしている(動いている)ためすべてのフレームで完全に消すことが困難なことに加え、典型的なアニメひとつをとっても出だしとOP終了時、Aパートの開始時と終了時、Bパートの開始時と終了時、EDおよび次回予告の開始時と終了時と、8回×それぞれ10数フレームを処理する必要がある。すべてをやろうとするとこのアナログ作業だけで100回近くに上り、かなり現実的とは言い難い。すべてを残したい気持ちもわかるが、効率の面を考えるとTBSロゴのような場合

・基本的にロゴのフェード部分は(ロゴがない部分も含め)該当フレーム自体を削除することで対処。

※その際オーディオ波形を表示しておき、無音部分であることを確認しながらやると以下の作業が楽になる。

・都度削除5秒前くらいから再生ウィンドウで再生してみて、本編に著しい瑕疵が出ているような場合(音声の繋がり方に違和感があるなど)のみ、違和感がない程度まで削除フレーム数を減らし、ロゴが残ってしまう部分のみを手動で設定。

・画面が真っ白or真っ黒など、ロゴ自体が見えなくなっている箇所は最初から考えない。

などの妥協が必要だろう(最後は当たり前かw)。

 

さてこれで一通りの作業は完了したので、結果を見てみよう。

1_4

これが1フレーム目。単に透過性ロゴをONにしただけのデフォルトプロファイル。

4_2

そしてこの状態が4フレーム目まで続き…

5_but_fadein1

ロゴフェード部分の5フレーム目。透過性ロゴはONにしたままFadeIn=1にした、#temp2[2]の一時プロファイル。

6_4

完全にロゴが消えた6フレーム目。透過性ロゴをOFFにした#temp1[1]の一時プロファイル。

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当然10フレーム目まで同じ。

これで1~10フレームすべてのロゴが消えたことになる。

 

最後にすべての処理をまとめてみた図がこちら↓

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今回は説明用として10フレームのみをサンプルとして挙げたので一時プロファイルは#temp2[2]までしか作らずに済んだが、実際には二桁に近い数の一時プロファイルを作ることも多々あると思う。TBSロゴでは独自の妥協点も挙げたが、それを考えなくてもある程度はアナログな作業が必要なこのフィルタ。一度に多くの数をエンコするときほど億劫になりがちなため、NHKやテレビ東京などロゴのない部分が開始2~4レームほどしかないものは、いっそのこと該当フレーム自体を削除してしまうなど、色々と自分なりの妥協点を見つけていくといいだろう。

 

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