何気にかなり使いやすい音楽ファイル変換ソフト「EcoDecoTooL」
前置き
今まで音声変換にはaacなら「neroAacEnc」を「Simple NeroAacEnc GUI」で、mp3なら「Lame」を「Lame Ivy Frontend Encoder」でといったように、変換元ファイルをwavにした上でそれぞれのGUIツールを使用してきた。が、知らないうちにかなり便利なマルチコーデック対応の音声ファイル変換ソフトが出ていたため、それを紹介しておこうと思う。
紹介
その名も「EcoDecoTooL」。AAC/HE-AAC/AC-3/FLAC/Monkey's Audio/MP2/MP3/Musepack/PCM/ADPCM/Real Audio/TTA/WMA/Vorbisと、ほとんどの音声フォーマットの入力に対応しながらその画面は至ってシンプル。基本は出力形式と基本設定をドロップメニューから選択し、音声ファイルを画面内にD&Dするだけで、自動的に入力ファイルと同フォルダに変換出力される(出力フォルダの変更も可能)。
出力も汎用性の高いwavの他、neroAacEncを使ったaacやLameを使ったmp3のエンコード出力に対応し、入力可能なフォーマットに比べれば少ないながらも実用的な機能を誇る。おまけに動画から音声を抽出することも可能。
aac出力設定画面。aac出力の際にはEcoDecoTooL.exeと同フォルダ内にneroAacEnc.exeを配置してやる必要がある。設定は [AVR / CBR / VBR] と [LC-AAC / HE-AAC / HE-AACv2] 、そしてABR、CBRの場合は [16-320kbps(18段階)] から、VBRの場合は [0.0-1.0(11段階)] からビットレートを決めるだけのシンプルなものだが、2passなど細かなことを言わなければ必要十分だろう。出力形式はm4aで、オススメ設定はLC-AACでVBRの0.5(およそ190kbps相当)かCBRの128kbps。
こちらはLameによるmp3出力設定画面。aac同様lame_enc.dllをEcoDecoTooL.exeと同フォルダ内に配置し、 [AVR / CBR / VBR] と、ABR、CBRの場合は [16-320kbps(18段階)] から、VBRの場合は [Q9-Q0(10段階)] から選択するだけ。オススメ設定はCBRの320kbpsかVBRのQ2(およそ190kbps相当)。なおmp3やwavは音量レベルも設定できるので、ノーマライズ用途としても使用可能(入力と同じ音量も可、音量を直接加工しないためやり直しの効くリプレイゲインにも対応)。
試しにwavファイルをaacに変換しているところ。複数ファイルの連続出力にも対応し、結果は右上に表示される。変換中にはCPU使用率が変更可能で、すべてが終了すると「チン」と言ったレンジのような音と共に自動的にアプリが終了する。
といったように、変換入門向けのシンプル・イズ・ベストな構成ながら、なかなかに使い勝手の良いソフトとなっている。何よりすべてが日本語表記で、なおかつ日本語名のファイルも何の問題もなく変換してくれるのはかなり嬉しいところ(海外のGUIツールやコマンドプロンプトを使う場合、日本語名のファイルは受け付けられないことが多い)。
その他にもセットアップ不要でレジストリを弄らないzip形式採用、変換後のファイル名が重複する場合は自動で回避、デスクトップにショートカットを作り、そこにファイルをD&Dするだけのコマンドライン・ダイレクト変換に対応(設定は最後に記憶されたものを自動適用)と、ビットレートをより細かく設定したい、特殊なオプションを使いたいというコアなユーザーでなければ、まさに至れり尽くせりの仕様と言えよう。
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