【ONKYO】AVアンプ TX-SA608(ブラック)
前置き
今回の音周り環境改善の要、AVアンプ。
HDMI 1.4対応を前提にデノンやヤマハも考えたが、機能性を見ているとどうしてもオンキョーが同価格帯では一枚上手ということで、選択したのはTX-SA608。
インプレ
まずは左から。今回はちょっと取り急ぎ的な感じで写真を撮ったため、ちょっと掃除が出来ていない。よってホコリがやや目立つが、まあそこは脳内補正ということで。
右から。デフォで黒いアンプが出てきたのは結構最近のことだと思うが、AV周りの黒流行が影響してだろうか。自分としてはシルバーより高級感がありインテリア的にも○。ただ7.1chものはやはりでかい。
パネル部分。今回のモデルからオンキョーでも接続機器名の変更が出来るようになったようで、とりあえずこんな感じにしてある。HDMI出力ならOSDでTV画面にメニュー表示が出るので、文字入力も簡単。本体パネル部だけでもすべての入力が行えるが、OSDだとメニューが日本語になっていることもあり、かなりとっつきやすい。
パネルからちょっと左に目を移すとTHXの文字が。「無いよりあった方が」的な感じだが、THX認定モデルだったというのもこの機種を選んだ理由の一つ。まあ大方の予想通りほとんど活用してはいないのだが、自己満足度は高い。
これは本体部だが、入力切り替えボタンがそれぞれ独立して存在するため、入力切替ボタンを何回も押すという作業が不要。リモコンにも同様の独立ボタンが存在する。
ちょっと上を見るとパネルと入力切替ボタンの間にも細長いボタンがあり、ここには設定に関するボタンや音量調節ボタンなど主要なボタンが一通り密集している。中でも↑のリスニングモードは、他のアンプしか触ったことがないと若干戸惑う部分。MOVIE/TV、MUSIC、GAME、にそれぞれ適しているであろうサラウンドモードが割り振られており、逆に言うと適したボタンを押さなければ目的のサラウンドまでいけないわかりにくさがある(例えば、ドルビープロロジック2のMOVIEはMOVIE/TVでしか選べなく、STEREOはMUSICのみなど)。
これも同様のボタンがリモコンにもあるが、リモコンには上記3つの他、THXボタンも追加されている。
端子を見てみると、左下部にヘッドホン出力がある。が、こうした機器によくあるものの非常に(そのまま)使う機会が少ない6.3mmステレオプラグ。大抵3.5mmミニプラグに変換する必要があるため、個人的にはあまり好ましくなかった点でもある。
反対の右下部にはセットアップ用のマイク端子。これは付属の自動音場補正用マイクを取り付ける部分であり、ここに挿し込めば自動的にオートセットアップメニューに移行する。
お馴染みの金色ONKYOロゴ。ここだけ金のためもうちょっと自重しろとも思うが、まああまり目立つというわけでもないので問題ないだろう。
総評
ハード面はいいとして、ソフト面はサラウンドを中心として汎用技術ばかりが目立ち、実用性が低いものも意外と多い。スペック表では魅力的な機能で溢れかえっているが、いざ使ってみると「ないよりは(ry」なものばかりといった印象で、YAMAHAのシネマDSPのような“突出した使える機能”というよりは“質より量の詰め込みタイプ”といった感じ。
また2chのPCM入力に対して、THXサラウンドでなぜかDTS Neo:6とTHX Gamesの組み合わせだけが選べなく、代わりにTHX Select2 GamesとDolby Pro Logic IIの組み合わせが可能となっていたりと、組み合わせのわかりにくさも気になった(DTS Neo:6とTHX Cinema or Musicの組み合わせは可能、逆にTHX Select2 Cinema or Musicは2ch入力時は表示すらされない)。ただし多くのサラウンドでドルビープロロジックII or DTS Neo:6を組み合わせられる仕様は好印象。
個人的に使用してがっかりした例としては、Audyssey周りのDynamic~の過剰演出や独自機能のなさにも起因するマルチPCM音声にかけられるサラウンドの少なさ、手動での各スピーカー音量調整時や自動音場補正時に鳴るかなり五月蝿い音の大きさを変更できない点など。これらに関しては“とりあえずあるものを詰め込んでみました”的な雑さが感じられ、ONKYOならではの細かな配慮がもう少し欲しかったように思う。他にデコーダーやサラウンドが切り替わるたびに「パチッ」という音がするのは仕方ないとしても、設定を変更していない視聴中も不定期にこれが生じるのはどういうわけかいささか疑問に感じる。
と、あまりネガティブな意見を見ない製品だけまずはざっと感じたマイナス面を書いてきたが、当然良い部分も多い。基本的な音質に搭載端子の豊富さ、HDMI1.4&ARCへの対応、切り替え式だが9.1ch同時接続可能(ただし9.1ch同時出力は不可)など、値段に反して挙げていったらキリのない豪華仕様は、最終的に前述したマイナス面を補って余りある魅力となっている。前機種と比べてみても、THX認証を始めとしてあらゆる入力をHDMI/1080pに変換出力できるようになっていたり、入力機種名の変更も可能になっていたりと、確実に進化していると言えるだろう。廉価機種で問題になっているファンによる騒音も感じない。
またリモコンも意外と使いやすい。これも先にやや述べているが、とにかく独立したボタンが多く、やりたいことが極力少ないボタン押数で出来るような工夫が見られ好印象。TV用の汎用リモコンとしても併用できるが、そのせいでAMPボタンとTVボタン、現在どちらに切り替えられているのかがわかりにくいのが唯一の難点か。価格.comのレビューでは操作性項目の評価が低いので、このリモコンは人によって評価がわかれる点でもあるように感じる。
とりあえず2週間ほど使ってみた感想としては「AVアンプとしての基本性能は◎、ただし付加機能についてはあまり期待をしてはいけない」といったところ。7畳程度の環境だが3地点から総合計算する自動音場補正は比較的良好だったので、(微調整はする必要があったが)設置は楽に行えるだろう。ただ自動音場補正中はかなり静かな環境にする必要があり、その中でかなり五月蝿い音が10分以上定期的に鳴るため、マンション暮らしの方は時間帯と壁の厚さに注意が必要かもしれない。
(2010.8.16追記)
使っていて気になる点があったので追記。規則性はよくわからないものの、PS3にてDolby Digital 5.1chをマルチPCM変換伝送した場合、稀に各スピーカーから出力される音が細くなることが数回あった。アンプの電源入切にて元に戻ったためさしたる問題ではなかったが、もしかしたらマルチPCMデコード時やデコーダー切り替え時、一時的に出力が不安定になる場合があるのかもしれない(PS3側の問題の可能性もあり)。
(2010.9.28追記)
用途としてあまり考えていなかったためヘッドホン出力はほとんど放置状態だったのだが、何かの拍子にふと聞いてみたくなったので追加レポ。
…なんでスルーしてたんだ俺orz
ヘッドホン(というかイヤホン?SONYのMDR-EX500SLを使用)はポータブル機くらいしか使ったことがないので、当然ヘッドホンアンプなるものとは比べようがないが、それでも当時かなり感動した記憶があるSONYのWalkmanより、普通に違いがわかるレベルで音質が向上した。
ホワイトノイズ含めたノイズ系が皆無なことはもちろん、原音に忠実ながらヒップホップ系の曲ではより抑揚感が増し、バラード系の曲では余韻というか、音の伸びにより艶が出た印象。比較的小音量で鳴っている楽器の音も聞こえる精細感で、本当に音が消えるその瞬間というものがわかる。ぶっちゃけ「ここまで音が伸びていたのか」と感じたのは、デフォで使うコーデックを変えたとき(mp3→aac→wav)と、iPodからWalkmanに変えたとき、そして付属イヤホンを高品質なものに変えた数年前以来だと思う。
ちなみに今回はCDをPS3で再生しHDMIにて伝送、アンプ設定はPure Audioにて試聴。さすがにヘッドホン出力主体で数万もするヘッドホンアンプよりは劣るかもしれないが、スピーカーもSONYのSS-F6000で満足している自分には十分すぎる音だった。これまで、イヤホンで音楽を聞くときは家にいてもポータブル機をそのまま使っていたので、今後はこちらを主体にしていきたい。
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