カテゴリー「Aランク」の18件の記事

2010年9月21日 (火)

【Panasonic】エチケットカッター ER-GN50-H

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 前置き 

エチケットカッター…と言っても実質ハイエンド鼻毛カッターなパナソニックのメンズグルーミングERシリーズ。鼻毛カッターからエチケットカッターへの名称変更に伴い型番方式も変わっているが、好評を博した「ER430PP」の後継にあたる。

 

 インプレ 

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パナの鼻毛カッターもといエチケットカッターは複数のバージョンが出されているが、今回もそれは踏襲。下位に「ER-GN30」「ER-GN10」と続き、当「ER-GN50」はその最上位機種となる。旧最上位「ER430PP」からの変更点は、刃が横方向だけでなく上方向にもついた点。これにより先端を当ててカットすることが可能となり、ヒゲ以外にもマルチに使えるようになった。

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化粧箱から取り出したところ。本体の他説明書と掃除用ブラシが付属しており、厚手の紙台+二重のプラスチックカバーで覆われている。以前レビューした「【Panasonic】マユシェーバーキット ER-KB50P」でも感じたが、単なる梱包というより未使用時の保管場所としても考えられているようで好印象。

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これが本体。基本形状は「ER430PP」と変わらぬちょっと太めのスタイル。パッと見はあまりスマートとは言えないが、握り心地は悪くなく、いかにもな家電らしさがある。

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底面。やたらと開いている穴は通気口で、それ以外の半分が電池の蓋となっている。右側の画像は蓋を取るために回したところで、この状態で引っ張れば簡単に取れる。示されている矢印は締めるための向きなので、開けるときは反対に回す点に注意。

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蓋を開けるとこんな感じ。電池は単三1本で、週1回90秒使用だと約6ヵ月持つらしい。パナ以外の鼻毛カッターだとデザイン重視で単四なものもあり、それに比べるとパワーも持ちも頭一つ抜きん出ている。

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カッター部。マルチに使えると言っても基本は鼻毛カッターなので、形状は一般的な筒状。掃除する際はこいつをクイッと回すと取れ、毛クズボックスが現れる。

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内刃は先程取った外刃の中にあるので、そのままスルーしてしまわないように注意。取り忘れると、洗浄時に取れてそのまま流されてしまう危険性がある。毛クズボックスも外刃同様回せば取れ、洗浄時はこれらをざっと水で流せばOK。最後に残った本体も、防水仕様なので一緒に丸洗い出来るのが嬉しい。

Lineup

最後にメーカーHPから、改善点とラインナップ比較についての図を紹介。デュアルエッジ刃については先に述べたので割愛するが、特筆すべきはラインナップ。GN50が最上位であるのは確かだが、実は下位に位置するGN30との差異は排他的な機能の有無でしかない(GN50は毛くず吸引があるがスマート洗浄機能はなし、GN30はその逆)。よって正確にはGN50とGN30は兄弟機、GN10だけが完全な廉価機ということになるが、ぶっちゃけよくわからない洗浄機能より毛くず吸引の方がよっぽど実用的だと思う(というか、パナ機が好評だった理由はもっぱらこの吸引機能にある)ため、価格やデザイン以外の機能性で悩んでいるのならやはりGN50にしておいた方が無難だろう。

…別にスマート洗浄でなくても、普通に本体丸洗いは出来るんだし。

 

 総評 

23461265935268_r_2一応鼻毛カッター歴はあるが、以前使っていたものは知人がニッセンだかセシールだかで注文する際ついでに頼んで買ってもらった1,000円の品。こいつが単四2本でパワーがいまいちな上熱くなりやすく、ただ切るだけなので鼻の中と外刃は毛くずまみれ、とどめは分解不可・水洗い不可の劣悪仕様であったため、おせじにも使いやすいとは言えなかった。

そんな状態であったため購入に至ったGN50だが、これがもう雲泥の差。駆動音からして違い、正直鼻毛カッターがこんなシュインシュイン言うものだとは思ってもみなかった。デュアルエッジ刃ということもありとりあえず触れさえすれば切ってくれる印象で、あっという間にカットは終了。謳い文句通り毛くずもしっかりと吸引してくれており、なるほど、これなら同機能を備えたER430PPが人気だったというのも頷ける。

自分は「【Panasonic】シェーバー ラムダッシュ ES8111P」と「【Panasonic】マユシェーバーキット ER-KB50P」を所持しているのであくまで鼻毛カッター+αのものだと思っているが、試しに眉毛カットを試してみたところそれなりに使うことは出来た。その大きさ故、マユシェーバーのように1本ずつ細かくカットしたり、すべての毛の長さを均等に揃えたりといったことは難しいが、切れ味は悪くないので、変に伸びてしまった部分だけを短くするといったようなアバウトなカットであればさほど問題なく行える。また産毛カットも試したが、こちらはかなり押し当てても肌が傷つくことはなく、予想以上に使える感じだった。

鼻毛を切ったもので他も切るのはちょっと…といった抵抗感もあるが、とりあえずこれ1本あれば色々と流用できることは確かなので、今現在鼻毛カッターを検討している人はもちろんのこと、小旅行用として、予備として、消費者に訴求する部分は大きいと思う。

 

 

  
  

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2010年9月17日 (金)

【Microsoft】薄型Xbox360本体 4GB ~薄型PS3比較~

 

 前置き 

【Microsoft】薄型Xbox360本体 4GB ~インプレッション~」「【Microsoft】薄型Xbox360本体 4GB ~旧型比較~」と書いてきた薄型Xbox360本体 4GBレビューだが、とりあえずはこれで締め。

最後に薄型PS3 CECH-2100Aとの比較レビューをどうぞ。

 

 外観比較 

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まずはディスク挿入部。Xbox360が一般的なトレイ開閉式なのに対し、PS3がトレイなしのスロットイン式なのは共に旧型から変わらず。逆に、取り出しボタンはXbox360がメカニカル→タッチセンサーに変わったのに対し、PS3ではタッチセンサー→メカニカルへと変わり、まったく逆のことをしているのが面白い。

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電源ボタン。方式は上記取り出しボタンと同様だが、Xbox360では中央にデカデカと配置しひとつのアクセントとしているのに対し、PS3ではあくまで操作のためだけのものとしてちょこんと配置。こうしたコンセプトデザインは共に旧型からの伝統であり、印象としては局所的に個性を出すXbox360に対し、全体としての造形美を追求しているPS3といった感じ。

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天板ロゴ。これもどちらかと言うと対極的な方向に進んでおり、Xbox360は旧型ではど真ん中にデカデカと配置していたロゴを控えめに、PS3はスタイリッシュなPlayStation3ロゴをフォントから一新してドカンと主張するように配置した。

以下はあくまで予想に過ぎないが、メインが縦置きデザインのXbox360は目立たせたいフロントを強調する代わりに他をスマートに、逆に横置きをメインにしたいPS3は目につきやすい天板に力を入れ他との差別化を図った結果、こうした相対する方向性へと繋がったのではないかと感じている。

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こちらはちょうど上記をひっくり返した底面。どちらも縦置きを考慮してか天板同様きちんとロゴが入っており、ゴム足以外はどちらから見てもさほど違和感のないものとなっている。ただ細かなところを言えば、よりゴム足が目立たなく仕様シールも貼っていないXbox360の方がデザイン性は高い。これもまた、上記同様メインとしたい置き方の違いからくるもののように思う。

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背面端子部。一番の違いは、Xbox360はトップ&サイドで内部のエアフローを行っているため、背面に通気口が一切設けられていないという点。PS3は通気口をデザインのマイナスファクターと考えているのか、背面半分を通気口とし、それ以外も目に付く場所には一切配置しないよう徹底されている。端子の数や大きさ、仕様シールの関係でスッキリ度はPS3の方が上だが…まあ背面だし、それはあまり関係ないかなといったところ。

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最後にコントローラー。使用感については主観なので人によって意見は様々だと思うが、個人的にはXbox360の方が使いやすい。持ち心地はしっくりと馴染み、パッドの配置やトリガーボタンの押し心地も良好。反面やるゲームによっては十字キーの入力ミスが目立ち、その点ではPS3に分がある。これまでの慣れという意味では、決定ボタンやキャンセルボタンの配置がPS3の方が直感的に行いやすいというのもあるかもしれない(自分は特に違和感を感じなかったが)。

 

 仕様比較 

   Xbox360 250GB  PS3 CECH-2500A
HDD  250GB  160GB
無線LAN  802.11b/g/n  802.11b/g
USBポート  5(フロント×2 バック×3)  2(フロント×2 バック×0)
アイドル時消費電力(実測値)  70W  69W
サイズ  270×75×264mm  290×65×290mm
重量  2.9kg  3.0kg
体感オプション  Kinect
 (モーションセンサー)
 PlayStation Move
 (モーションコントローラー)
その他付加機能 全パッケージタイトルをHDD/USBメモリにインストール可能、全タイトルがカスタムサウンドトラックに対応 Blu-ray Disk再生、HDオーディオ対応、HDMIリンク、Torne(地デジ録画・再生)対応、3D立体視、etc.

上記はengadgetPS3 wikiの各仕様表、そしてPC Watchの消費電力実測結果を参考に、比較する上で適当だと思われる項目をピックアップしまとめたもの(消費電力の実測値がアイドル時しかないのは、単にXbox360側の値がアイドル時のものしか見つけられなかったため)。対象機種は、比較のため共に最新標準モデルかつ同価格のXbox360 250GBとCECH-2500Aを挙げている。

これをざっと見て思うことは「消費電力やサイズは意外にもほとんど差異がない」(ただしPS3はACアダプタを内蔵してこのサイズを実現しているため、それを考慮するとかなり優秀ではある)ということと、「ハードの基本スペックはXbox360優位だが、それ以外の付加機能ではPS3優位」ということで、前者はともかく後者に関しては、仕様からして向かっている方向性にズレがあることが分かる。

搭載容量を始めから250GBと大きめに取り、無線LANもゲームに優位な802.11n対応、そして全タイトルでのゲームインストールやカスタムサウンドトラックを実現し、あくまで“ゲーム機”としての+αに務めているXbox360に対し、PS3ではそれらを必要最小限に抑えつつも、HDDなどは汎用品を流用出来る柔軟性に優れ、AV系に主眼をおいた“オールマイティ機”としての側面が強い。

あるゲーム目的で購入したとして、そのゲームへの満足度を+αの部分で引き上げるのがXbox360なら、ゲームの満足度は純粋にそのゲームに任せ、それ以外の良さにも段々と気付いていけるのがPS3といったところだろうか。よく画質ばかりが比較される両ハードであるが、こうした別の側面から両者を見比べるのも面白く、また購入の際の重要なファクターにもなってくるように思える。

 

 雑感 

PS3は型落ちセール、Xbox360は安い新型発売ということで期せずして同時新調となった両薄型機。共にそれなりにクセはあるが、発売されている/発売が決定しているタイトルは両者とも充実してきており、いわゆる大型タイトルや神ゲーなるものも少なからず存在している。ここまで実績を積めばもう「どちらが生き残るか」という独占市場的思考から「どちらが良いゲームを多く出せるか」という寡占(競争)市場的思考へとシフトしたも同然なので、今まで以上に目が離せなくなりそうだ。

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両機種を並べた印象としては、やはりXbox360はマットな4GB版、PS3は同じブラックモデルがインテリア的にはバランスがいい。同時に起動すると、グリーンライトを前面に押し出すXbox360と控えめな多色ライトのPS3でやや差異が目立ってしまうものの、基本的にどちらかが起動していたらどちらかは停止しているので問題はない。自分の環境では個体のすぐ上に間接照明があるため、変に反射しないという意味でマットな表面はむしろ○。もちろんそれも、共にチープさがないマットであることが前提にあるのは言うまでもない。

発売当初はかなり敷居も不安も高い両ハードだったが、共に薄型化されたことで価格的にも品質的にも納得の次世代ゲーム機となり、今後はWii 2(仮)やKinect、PS Moveの登場で三つ巴の第2章へと突入していくことだろう。予算や出されるタイトル傾向からどれかを選び抜く人も多いと思うが、ゲーム好きなら是非最終的にはすべてを揃えるつもりで検討してもらいたい。現状ではラインナップされるソフト面(とりわけ完全独占のファーストパーティ製タイトル)がハード牽引の要ではあるが、そのハードならではの、そのハードだからこその魅力というものは確かに存在する。

 

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2010年9月14日 (火)

【Microsoft】薄型Xbox360本体 4GB ~旧型比較~

 

 前置き 

【Microsoft】薄型Xbox360本体 4GB ~インプレッション~」の最後で触れたように、4GBの薄型Xbox360と旧型通常版を比べてみた。薄型Xbox360 4GB 派生レビューその1「旧型比較」をどうぞ。

 

 外観比較 

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まずは化粧箱比較。上画像のように普通に並べると「う~ん…」といった感じだが、薄型の方を90°倒すと下画像のようになり、なんとほとんど同サイズ。描かれたデザインは旧型がシンプルな、あまり余分なものを載せないスタンスなのに対し、薄型では実写画像を多用し宣伝第一。これはPS3の新旧によく似た部分だと言える。

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次に本体。横幅や奥行きはそれほど違わないが、高さと重さは明らかに違う。こうして比べると意外とそれほど違わないが、デザインの影響もあるのだろうか、薄型単独では随分コンパクトになったような印象を受ける。縦置き時のゴム足は旧型が小x4だったのに対し薄型は大x2で、防振性も強化。

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天板のロゴアップ。PS3のようにロゴの仕様自体には変更を加えていないものの、旧型ではかなりデカデカと配置されていたものが薄型ではかなり小さくなっている。これもよりスタイリッシュに見せるための一要素だろう。

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フロント部のデザイン比較。まずベゼルだが、旧型通常版ではテカテカメタリックだったものが本体色と同カラーに変更。逆に同カラーだった電源ボタンは薄型ではテカメタ化している。Xbox360ロゴは左から右に配置転換し、ベゼルの形は完全丸型から丸みを帯びたスクエア型に。電源周りの余分な凹みも省略され、かなりすっきりした。

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背面。一番変わったのは端子の数で、光端子の独立やUSB端子の増加、Kinect専用端子の追加がその要因。配置も旧型では電源以外は右側寄りだったのに対し、薄型では中央、どちらかというと左側に集中している。

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何気にコントローラーの変更箇所も多い。旧型でも一応エリート仕様としてブラック色は用意されていたが、上記で灰色のキーや下部周りは同じ素材を流用してたため、変にグレーな箇所がありデザイン性はいまいちであった。それが新型ではすべてブラックで統一されたことで、やっとまとまったカラーリングになった感じ。中央のXボタン(Xboxガイドボタン、通称椎茸ボタン)はつや消しシルバーからテカメタ化し、上部のMicrosoftロゴはXbox360ロゴへと置き換えられた。

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最後に電源部分。かつては「カステラ」や「弁当箱」と揶揄されていたあのアメリカンサイズも幾分かコンパクトになった(とは言え未だデカイ部類ではあるが)。本体接続端子も独自のデカデカスクエアプラグから一般的なメガネプラグへと変わり、これだけ見てもかなりの省電力化が期待できる。

 

 仕様比較 

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上記はengadgetの仕様表から一部を抜き出したもの。エリートとの比較だが、共通部分としては802.11nに対応した無線LANをゲーム機で初めて内蔵し、背面に2端子のUSB端子とKinectポートを追加。前述した光端子の独立に、ボタンのタッチセンサー化。そしてRRoD(Red Ring of Death:死の赤リング)で恐れられたレッドライトの物理的撤廃など、変更点はそれなりに多い。

消費電力は定格で10~33%下がっており、待機電力も半分だ。重量はおよそ600g減と思った程ではなかったが、500mlペットボトル一本以上と考えると実感出来る違いはあることがわかるだろう。比率では17%の削減となる。

なおサイズは奥行き方向だけ微妙に増えてしまっているが、それ以上に高さ方向の-40mm(対比-13%)が効いているのは前述した通り。汎用USBメモリーを使えるようになったこともあり、かなり割高だったメモリーユニット(MU)は端子自体が撤廃され、事実上使用不可能となった。

 

 雑感 

今回の比較で一番驚いたのが見た目と実寸のギャップ。数字で見ると思っていた以上には違わず、改めてデザインの重要性を感じた。最後の消費電力はあくまで仕様比較のため、PS3のように実測値ではまたいろいろと違ってくることもあるのだろう。これは報告待ちか、気が向いてワットチェッカーを購入するようなことがあったらその時測ってみたいと思う。

(2010年9月16日追記)

PC Watchさんが250GB版での分解記事で消費電力測定も行っていたので一応紹介。以下は「新型Xbox 360米国版ハードウェアレポート~小型で省電力、シンプルな基板」記事内からの抜粋。

45nmプロセスを裏付けるように、消費電力が小さくなっている。ダッシュボードを表示させた状態では、70Wで安定している。同じ状態で、初期モデルで153W、バリューパック版で103Wだったので、消費電力はかなり下がっている。

これによると、少なくともアイドル時の消費電力は初期モデル比55%減、バリューパック比32%減ということになり、やはり定格値よりかなりの差が出ている。4GB版ではHDDが省かれているため、上記以上の値も期待できそうだ。またPS3ではアイドル時より負荷時の方がより省電力化の恩恵を受けていたため、ゲームプレイ時などでは更に差が出る可能性も高い。

 

さて今回の新旧比較はこれにて終了。最後に薄型同士のPS3-Xbox360比較も予定しているので、そちらはしばしお待ちを。→「【Microsoft】薄型Xbox360本体 4GB ~薄型PS3比較~」を記載。

 

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2010年9月12日 (日)

【Microsoft】薄型Xbox360本体 4GB ~インプレッション~

 

 前置き 

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【SONY】薄型PS3 CECH-2100A ~80GBホワイトモデル(CECHL00 CW)との比較レビュー~」で予告した通りXbox360も薄型4GBモデルに買い換え、ようやく昨日届いた。ちなみにAmazonだが、予約にもかかわらず発売日2日後到着というのはさすがといったところか。

まあそれは覚悟の上で価格18,724円に飛びついたので文句は言えないのだが。

 

 インプレッション 

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早速開梱。この独特な開け方は旧型からの伝統だが、今回は緩衝材が紙から黒いスポンジに変わっておりなんとなく高級感。旧型ならこのスポンジを本体の下に置いて簡易インシュレーターにでもしていたかもしれない。

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本体縦横ver。さすがに旧型と比べるとかなりスタイリッシュな印象で、先行販売されている250GB版との見た目上の違いはマットな非光沢という点のみ。正直テカテカが好みではなかったためこちらを選んだのだが、まずは予想通りの質感で一安心。PS3のようにザラつき加工等はなくあくまで普通のマット表面だが、真っ黒というよりはどこかしっとりとした黒といった感じ。

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電源ボタン。旧型(エリート)とのカラー的な一番の違いはここだろうか。写真ではなぜかパールホワイトっぽく写っているが、実際は普通のメタリックシルバー。電源投入時中央が緑に光るのは同様だが、旧型のように電源マークが浮き出るわけではなく、新型ではマークの○内すべてが光る(電源投入時は電源マークだと判別不可能状態)。

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こちらはエジェクトボタン。上記電源ボタンもそうだが共にタッチセンサーとなっており、触れると「ピン」「ピコン」という効果音と共に動作する。反応はいいし動作したことがわかりやすくはあるが、個人的に効果音はいらなかったようにも思う。

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横置き時の天板と底面部。ちなみに上画像が天板で、ここにやや大きめのファンが、両サイドに通気口があるが、底面には何もない。ただしどちらの面にもしっかりとロゴ&デザインの凹みはあり、縦置き時のデザイン性は考慮されている。

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天板部とサイドの通気口アップ。旧型ではポツポツと穴が開いていただけだったのに対し、新型では面の大きな格子状。これだけを見ると冷却性を取り静音性を捨てたようにも思えるが、実際使ってみるとその2つを見事に両立させているのがわかる。またサイドの素材のみ光沢処理がなされアクセントになっている(上記下画像)。

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パッと見では見えないHDD取り出し口と前面USB端子。HDDは旧型のやけにかさばる独自仕様が改善され普通サイズに近くなったが、それでもやや大きく汎用HDDは依然×。蓋がある分付け替えの手間は増えそうだが、蓋は旧型よりかなり簡単に取れるので意外と楽だったり。USBの方は旧型から配置換えされ90°回転。横置きメインとしてはありがたい。横にあるボタンはコントローラー認証ボタン。

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最後に背面。旧型と比べると驚くほど端子類が増えており、主な変更点は光端子の独立にUSB端子の増加、Kinect専用端子の追加。電源部も一般的なメガネプラグに変わっており、省電力化の跡が伺える。

 

 総評 

23461265935268_r_2まず気になっていた旧型のD端子ケーブルとリモコンの流用だが、共に問題なく使うことが出来た。静音性は250GBの方で絶賛されていたため驚きはそれほどでもなかったが、確かに騒音量は旧型より激減している。さすがにディスクを回転させればドライブ音は普通にするものの、ディスク非回転時ならPS3に近いレベルにまで達しており、そのドライブ音も旧型に比べればかなり静か。ちょうど旧型ディスク非回転時の動作音くらいだと思っておけばいいだろう。初代廉価機がとりわけうるさい上にディスクに傷がつくおまけ付きで「地雷のコアシステム(サムスンドライブ)」と呼ばれ、日立ドライブやらBenQドライブやらチェックしていた頃が懐かしい。

コスパ重視なら250GBの方がいいと思うが、デザインの賛否は人それぞれ。自分は同様にマットブラックな薄型PS3と対にして置いているため、インテリア的なバランスも考慮してこちらを選んだが、その点ではメインがマットでアクセントに一部光沢という点も似通っており、満足している。逆に光沢のある家電周りに配置するならプラスチッキーなチープさが際立つ可能性もあるため、商品単独でなく、周囲の環境も考慮した方がいいように思う。

ともあれ、アップデートにより汎用USBメモリも通常の記録デバイス(ゲームインストールやセーブデータが保存可能)として使えるようになった今、この廉価版でもより多くのことが手軽に楽しめるようになり純粋に入門機としての魅力も高い。「気になっているXbox360独占タイトルはあるけどPS3持ってるし…」「そんなにゲームやらないけどHDTV買ったからちょっとやってみたい」というユーザーにはぴったりの製品だろう。

なおPS3ではあまりに今更だったので「【SONY】薄型PS3 CECH-2100A ~80GBホワイトモデル(CECHL00 CW)との比較レビュー~」で比較とインプレを一緒くたにしてレビューしてしまったが、今回はこの「インプレレビュー」の他、別に「Xbox360新旧比較レビュー」(※記載済み、リンクから記事へ)と「薄型PS3(CECH-2100A)-薄型Xbox360(4GB)比較レビュー」(※記載済み、リンクから記事へ)もする予定。そちらはもう少しお待ち下さいな。

…まあ待ってる人もいないだろうけど(ボソッ

 

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2010年8月22日 (日)

【Panasonic】プラズマテレビ 3D VIERA TH-P50VT2

 

 前置き 

購入したのはもう2ヶ月以上も前になるのだが、値の張るものだけに適当なレビューは書きたくないと思い、今までじっくりと必要な情報(写真やら気になった点やら)を集めてきた。8月に入ったあたりであらかた集まったことを確認し、ようやく一段落つける頃合いになったこともあり、一気にまとめ上げてしまおうということで今回のレビュー。

なお以前書いたHYUNDAI W241DG長編レビューのように複数に分けようかとも思ったが、“一気に”ということもあり、今回はこの記事内ですべて書ききってしまおうと思う。よって少しまとまりに欠けるかもしれないが、その点はご容赦いただきたい。

 

 外観 

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まずは外観から、ということでメーカーロゴと電源ランプ部のアップ。パナロゴは他モデルと同様のメタリックシルバーで、その下に型番印字、電源ランプと続く。電源ランプの光量はテレビとしては普通だが、真っ暗にするともう少し下げて欲しいと思う時も。

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その他各種ロゴ一覧。上から順に左上、右上、下中央やや右(電源ランプからやや離れて右)に印字されている。全体的にあまり主張してはいないものの、画像中央の3Dロゴは別に独立させなくてもよかったのではないかと。

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賛否両論のあるブラウンフレームだが、家庭環境ならほとんど黒にしか見えない。量販店で見たときは指紋ベタベタ状態ということもありかなり微妙な印象だったが、実際設置してみるとむしろ真っ黒よりどこか上品な趣がある(気のせいかも ;^_^A )。

ただ色はともかく、↑の継ぎ目?みたいなものはいただけない。製作工程の都合か、はたまたデザインの一部なのかは知らないが、どうも継ぎ目消しを忘れたプラモを連想してしまい高級感に欠ける。

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最後に映り込みも検証。VIERAのパンフをフレームとパネルに半分ずつ映るようにして撮影した。謳い文句通り「低反射ディープブラックフィルター」の反射低減率は素晴らしく、フレームにくっきり写りこんだパンフの文字もパネル部分では判別すら難しい。実使用においては、それが顔だと分かっても誰なのかはわからないといったところ(蛍光灯下、全黒画面において)。

 

 視聴環境比較 

大まかに分けて蛍光灯下、間接照明下、深夜照明なしの3パターンを、アニメと実写でそれぞれ行った。何はともあれまずは画像を見て欲しい。※映像メニューはすべてオート(デフォルト)で統一。

【アニメ:蛍光灯下】

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【アニメ:間接照明下】

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【アニメ:深夜照明なし】

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【実写:蛍光灯下】

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【実写:間接照明下】

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【実写:深夜照明なし】

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画像は出来るだけ実際の視聴時に近いものを選んだ。様々なシーンでの見え方も参考になればと思い、あえて異なる作品、異なるシーンを用意しているので、厳密には比較ではなく雑感に近いと思う。

種火ゼロではないので、さすがに深夜照明なし環境で暗い場面がくると辛いものがあるが、間接照明下であればぐっと引き締まった“理想的な黒”を得られる。その他の要素では照明なしが映画としては理想であったが、総合すると間接照明下が最もバランスのいい環境であるように感じた。

なお蛍光灯下では上記環境よりいくらかあっさりした印象だが、よく店頭のような異常な光源下で見られる色の変化(全体的に白っぽく見えてしまう現象)はほとんどなく、輝度もマックスでは眩しすぎるくらいだ。

 

 黒浮き検証 

この機種の情報を探るとかなりの確率でヒットするのが「種火ゼロ(予備放電レス)でない=KUROより劣る」という図式。正直なんで故KUROとの優劣問題になっているのかがよくわからないのだが、上記でも述べたように確かに黒は浮いているため、以下はその客観的評価ということで。

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一応普通に撮ってみたが、コンデジではかなり設定を詰めないと浮いている黒は表現できない(=全部黒に写ってしまう)。よって普通に撮った後、ガンマ補正を加え実際に見えている状態に近くしたのが下の画像。それなりに黒が浮いているのはわかると思う。

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が、問題はこの後。どこにも情報がないのでこれが機能のひとつなのかわからないが、(自分は初期不良で2台の50VT2を体験しているが、そのどちらも)全黒画面を検出するとややタイムラグがあった後完全な種火ゼロ状態に切り替わる現象が見られた。画像はその時の状態を上記同様に撮り、ガンマ補正をかけたもの。こちらでは電源ランプが入(緑)状態にもかかわらず、電源切状態のように完全に黒が沈んでいるのがわかると思う。

しかし「これがメリットか」と言われるとそうでもなく、切り替わりが不自然すぎて違和感があり、また同じ全黒画面でも切り替わる時と切り替わらない時があるなど非常に不安定。何かの誤作動のような気もするが、全黒でなくなった瞬間普通に戻るし、2台とも同じ症状が確認できたので仕様のようにも思える。エコ系はすべて切ってあるが、もしかしたら省電力機能のひとつであるのかもしれない。

(追記)

2chにて42V2でも同症状を確認、ワットチェッカーで検証してくれた人によると、通常の黒表示時の消費電力が48Wであったのに対し、種火ゼロ状態では46Wであったとのこと。消費電力は僅差であるため、省電力機能というより単にコントラスト測定目的の機能である可能性もあり。

 

 映像メニュー[スタンダード]の問題点? 

ちょっとおかしな点繋がりということで、上記種火ゼロ?問題に続き映像メニュー[スタンダード]でも気になった点があるので、ついでに述べておこうと思う。

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上の画像は全白画面(なぜか白くないがw)を接写撮影したもの。画像を見てもらえば分かると思うが、デフォでオンになっている明るさオートを切ると、どういったわけか途端にザラつきが酷くなる。これも交換前のものと共に見られた症状だが、スタンダード以外の映像メニューでは発生していない。

そのため一般使用において問題となることはまずないと思うが、ノイズ除去系の設定を弄ったわけでもないのに、しかもスタンダードでのみ起こるというのはなんとも不可解な現象であり、どこか釈然としない気持ち悪さが残る。

 

 映像遅延テスト 

微妙な空気になってしまったのでここで一時方向転換。

CRTモニタやビデオカメラは持っていないので簡易的なものだが、ここの「CRTを使った計測の仕方」を参考に、映像遅延およそ1.5フレームとされている液晶モニタ「W241DG」を使って映像遅延をチェックしてみた。

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上(後ろ)にあるのがTH-P50VT2で、下(前)にあるのが比較用のW241DG。入力信号はHDMI1080p、映像メニューはオート(デフォルト)にて全部で20回ほど行ったが、その平均的値かつ数字が読み取りやすいものを4つ挙げてみた。

…まさかのモニタ以上の低遅延( ̄Д ̄;;ハワワワ 中にはtest4のようにモニタ-1.5フレームというものもあったが、ほとんどがモニタ-1フレームであったため、結果として遅延は1.5-1=0.5フレーム前後、誤差があったとしても1フレーム内には収まっていると思う。

→何分初めての計測なもので、度重なる訂正申し訳ない(*_ _)人 コメントで指摘してくれた人がいて、どうやらモニタより1フレーム(test4は1.5フレーム?)遅れている模様。よって結果は1.5+1=2.5フレーム…ということらしい。

人がゲームなどで体感できる遅延は4フレーム前後からと言われているので、結論としては「ほとんど遅延なし」でいいように思う。

(2010.8.29追記)

環境を晒して欲しいとの要望があったので。

接続はPCのDVIからVT2のHDMI2とW241DGのDVIへ直接繋ぎ、F200EXRでシャッタースピードを1/60に固定して撮影。VT2の画質設定は映像メニュー=オート以外すべてデフォルト設定…だったはず。

 

 ズーム表示検証 

4:3の映像もまだまだ残る昨今、焼き付き対策的にもプラズマのズーム表示は重要なものとなっている。まあそれもほとんどがサイドマスク(両端の黒枠部分をカットした上でグレー表示することで、部分劣化を防ぐ機能)だけで事足りるわけだが、やはりこのデカい画面を一部しか使わないのはもったいない!ということで、それ以外の全画面表示の使い心地を検証してみた。なお本来は4:3の映像に使う機能であるが、今回は精細度チェックも兼ね16:9のHD映像を使用している。

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タイプとしてはこの3つで、意外に使えるなと思ったのがジャストズーム。アス比か狂うのであまり使いたくないのは確かだが、それでもこれまで自分が体験してきた中では違和感が最小限に抑えられており、歌詞やテロップを画面内に収めつつ無難な画を映し出している。さすがに横スクロールは途中ビヨーンと伸びる感じがあるものの、それ以外は普通に見れる印象だ。

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こちらは文字部分を拡大表示したもの。ジャストズームの歪みの程度もこれでなんとなくわかると思うが、特筆すべきはズーム表示時の精細さ。超解像の技術も応用しているのか、ズームしたことによる目に見える劣化(ボケ)がほとんどない。

まあ所詮コンデジ撮影なのでこれだけで判断しろというのもアレな気はするが、少なくとも「粗が目立つから、もともとの映像を楽しみたいからズームは使いたくない」ということはあっても、「ボケるからズームは使いたくない」ということはないように思える。

 

 3D映像評価 

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この機種の(一応の)目玉である3Dだが、コンテンツがない以上評価はほとんど保留状態。それでもデモを観たり、数少ないPS3の3Dゲーム『WipEoutHD』をやった限りでは期待してもいいのではないかと感じている。

巷でよく皮肉られる「紙芝居」的なイメージも、それなりの数のデモを見てきた身としては作り手次第だと感じているし、実際WipEoutHDでもそれを確信できた。残念ながらクロストークは予想より目についたので、改善点を求めるならそこと、あとは明るさだろう。

まずはコンテンツの充実が最優先事項だが、自分としては海外の勢い同様日本でも廃れること無く進化していって欲しい部分でもある。

(2010.11.27追記)

キャンペーン商品のアバター 3Dが届いたので、その雑感ついてはこちらに記載。VIERAの3D画質設定についても触れているので、アバターに興味がないという人でも参考になる部分はあると思う。

 

 視聴距離からG音や焼き付きなど雑感 

視聴距離は2.0~2.5m(実測2.3mあたり?)。1.5m前後までは普通に視聴できるが、ここまで近付くと地デジの粗さが気になり出す。1.0mあたりになると気分が悪くなり視聴不可能に(実際吐きそうになったorz)。パネルの高さ×3という最適視聴距離は映画をじっくり観るにはベストだと思うが、“最適な距離”というよりは“最低限取った方が良い距離”として捉えたほうが万人向けのように思う。

A

視聴環境はというとこんな感じで、間接照明がすぐ後ろにあるためかプラ膨張による軋み音はこの季節でも普通に発生するが、ジー音(G音)は通常視聴時ならほとんど気にならない。ただし交換前のものは吸音材導入やら設置場所変更やらを本気で検討するほど酷かったため、個人差と共に個体差もやはりあるのだろう。

また今使っているものは気にならないとは言え、聞こえるか聞こえないかと言われれば「聞こえる」であり、画質設定や映し出される映像、果ては頭の位置を微妙に変えただけでもかなり音の傾向が変わってくることは確認出来た。

B

アバウトではあるが、印象としてはこんな感じだろうか。あくまで素人考えだが、ジー音とはパネル発光時に発生する指向性のある高周波ノイズであり、上のような間隔の狭い壁に前後を挟まれた上、真正面に顔が来るような環境がもっとも気になりやすいのではないかと思う。自分の環境がまさにこれ(しかも壁は鉄筋コンクリ)で、上記画像の「ちょっと気になる」の位置が交換前のものでは文字通り気になり、交換後は同位置でもさほど気にならなくなった、ということになる。

(2010.8.29追記)

2chにて、(TH-P50V2ではあるが)ジー音の酷い個体に当たりその動画をアップしてくれた人がいたので、そちらも紹介しておく。※この動画はアップ主の許可を取った上で掲載しています。ID:n77JnZLn0氏に感謝。

良個体にしか当たったことがなく、ジー音がどういったものかよくわかっていない人は参考にするといいかもしれない。(マイク経由でない)実際の音はこれより少し高周波気味であり、ここまで酷いものはさすがに稀だろうが、確かにこんな感じの音ではある。

焼き付きに関しては、未だ残像すらほとんど体験していない状態(気をつけてはいるが、特にエージング等はしていない)。ただ未体験というわけでもなく、PS3で30分以上一時停止の || を表示していたらそのまま残ってしまったことが一度だけあった(1時間映像を流していたら自然と消えた)。サウンドノベルのようなゲームもやったが、こちらは1時間やっても残像は残らなかったため、映像メニュー[ダイナミック]で表示したり || のようなはっきりくっきりしたものを長時間映さなければ、さほど神経質になる必要もなさそうだ。

 

 参考になった2ch情報抜粋 

2chのパナスレ(プラズマ)にはかなりお世話になっており、その時に参考になった設定報告をいくつか紹介。2chは情報の流れが速く見逃してしまった人もいると思うので、初めて見たという人は要チェック。

【HiVi CAST(BD版)を使用してのVT2画質調整結果その1(暗室時)】

再生機種はPS3です。基本的にPS3の映像メニューは、初期設定のまま。スーパーホワイトと、deep colorは入れてあります。フェライトコア加工済み、HDMI1.4ケーブルです。

映像メニュー…ユーザー
ピクチャー…0
黒レベル…5
色の濃さ…-3
色あい…1
シャープネス…0

後は、ユーザー設定の標準から変更はしていません。これで映画関係者が意図した画質に極めて近い状態になるとの事。暗室での画面精度と黒レベルは限界値をマークしています。

【HiVi CAST(BD版)を使用してのVT2画質調整結果その2(暗室時)】

50VT2にPS3をHDMI1.4を接続して、設定しました。スーパーホワイト、deep colorはon。RGBはVT2側はエンハンス、PS3側はフル設定です。

映像メニュー…シネマ
ピクチャー…0
黒レベル…4
色の濃さ…-6
色あい…1
シャープネス…0
色温度…中

その他は、シネマ標準設定のままです。テクニカルも調整していません。調整する必要がありませんでした。ピクチャーは視聴される明るさに応じて、0~最大まで、お好みでよろしいかと思います。シャープネスは、最大と最小の差が自分の肉眼では分からなかったので、0にしておきました。

【番組表をすっきりさせる方法(同局が複数表示されていた場合の対処法)】

Q.番組表で、同じ局が3つくらい表示されてたので、番組表→表示内容→設定チャンネルにしたらすっきりしました。ただ、一回ごとに元に戻ってしまい、ずっとこういった表示にするならどうすればいいんでしょうか?

A.システム設定→選局対象→設定チャンネル

 

 総評 

23461265935268_r_2今回のレビューは“他にはない濃い内容のものを”ということで、当たり前に言われているような点、写真ではわからないような点は極力省いて書いてきた。そのためメリットが少ないように感じたかもしれないが、デュアルスキャンによる階調表現の高さ(特に暗部表現)は目に見えてわかるレベルにあるし、発色の良さも非常に良好。色割れも個人的には気にならないし、種火ゼロではないものの、間接照明下なら黒の沈み込みもかなりのものであった。Blu-rayは当然のことながら、地デジやBSでも(特有のモスキートノイズやらブロックノイズさえ気にしなければ)それなりに理想に近い画質が得られたのは、個人的には嬉しい誤算。

カラーリマスターも好印象で常用しているが、過剰ではないものの地デジ番組などによっては少し不自然に見える時がある。印象としては赤や緑、黄色がより鮮やかになるよう設定された強めのビビッドといった感じで、紅一点のごとく局所的に赤い部分があったりすると、それだけがやや主張しすぎな感を受ける。基本はオンでいいかもしれないが、場合によって使い分けた方がよさそうだ。

映像メニューのオートは、ピクチャーを最大にしてやれば(そのままだとやや暗い感じ)それなりの鮮やかさを維持したまま状況に応じて自動調整してくれるので楽。ただ上のHiVi CAST設定を試してしまうとどうしてもそちらの方が良く見えてしまう(上記その1を使用、PS3以外に地デジなどもこちらの方が好印象だった)ため、個人的にはオートよりHiViの方をおすすめしたい。

以下はこの機種というよりプラズマならではの留意点だが、自分は最初液晶のホールド駆動のバックライトに慣れすぎていたせいか、普通に観ていてもプラズマ特有のインパルス駆動が若干チラついて見えた(2日で慣れたが)。またこちらはプラズマの特性なのかどうかも定かではないが、とりわけアニメでカメラがパンするようなシーン、動きの激しいシーンなどで、輪郭線が二重というか、やや尾を引いて見えるような感じを覚えた。

B

上記はあくまでイメージだが、液晶では残像としてボケていた線が、プラズマではくっきりしつつもブレて見えるような感覚。これが本来の画であり、液晶はボケで誤魔化されていただけの可能性も考えられるが、アナログ時代のブラウン管では感じなかった点なのでちょっと不思議な感じ。

 

…と、気になる点がないわけではないが、液晶と比較すれば断然プラズマの画の方が作品への没入感は高いし、VT2がそのプラズマの中でも上位に位置する画質であることは確かだろう。

新たにラインナップされた46型以下のモデルは「シングルスキャンの劣化版」から「42型は好印象」と意見はまとまっておらず、50型以上も価格.comでは未だまともな評価が少ないという悲しい状況にあるVT2シリーズだが、現在の価格なら間違いなく“買い”の機種だと言える。

 

 最後に…蛇足 

レビューの中で散々「交換したものは~」とか書いてきたので、最後にそのことについても触れておく。交換理由はズバリ「D端子不良」。どうも“モジュールA”なる部品がイカれていたらしい。で、結局初期不良期間ということもあり交換対応になったのだが、実は新しく届いた(今使っている)ものでも同症状が出ていたりヾ(ーー )ォィ

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個人的にはD端子も必須のため始めこそサポセンに即TELだったが、まあAVアンプのコンバート出力で急場は凌げるし、なにより対策で頭を悩ませていたG音問題が解消されたのが嬉しすぎて「ま、いっか」と。ちなみにその症状とは、D端子で接続していると不定期に(といっても平均30分に1~3回程度の割合で)画面が一瞬真っ暗になった後、右上に(入力切替時に表示される)「D端子」の文字が再表示され復帰するというもの。サービスマン曰く「一時的にですが、信号が完全に途切れていますね」とのこと。

接続機器を変えてもケーブルを変えても設定を変えても上記症状は現れ、何よりサービスマンも正式に不具合と認めているため、それが2度続けて起こるということは自分の買った6月頃のロットに問題があるのかもしれない。似たような時期に買ってD端子を放置している人は、保証が切れる前に一度チェックしておいた方がいいように思う。

 

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2010年8月16日 (月)

【ONKYO】AVアンプ TX-SA608(ブラック)

 

 前置き 

今回の音周り環境改善の要、AVアンプ。

HDMI 1.4対応を前提にデノンやヤマハも考えたが、機能性を見ているとどうしてもオンキョーが同価格帯では一枚上手ということで、選択したのはTX-SA608。

 

 インプレ 

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まずは左から。今回はちょっと取り急ぎ的な感じで写真を撮ったため、ちょっと掃除が出来ていない。よってホコリがやや目立つが、まあそこは脳内補正ということで。

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右から。デフォで黒いアンプが出てきたのは結構最近のことだと思うが、AV周りの黒流行が影響してだろうか。自分としてはシルバーより高級感がありインテリア的にも○。ただ7.1chものはやはりでかい。

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パネル部分。今回のモデルからオンキョーでも接続機器名の変更が出来るようになったようで、とりあえずこんな感じにしてある。HDMI出力ならOSDでTV画面にメニュー表示が出るので、文字入力も簡単。本体パネル部だけでもすべての入力が行えるが、OSDだとメニューが日本語になっていることもあり、かなりとっつきやすい。

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パネルからちょっと左に目を移すとTHXの文字が。「無いよりあった方が」的な感じだが、THX認定モデルだったというのもこの機種を選んだ理由の一つ。まあ大方の予想通りほとんど活用してはいないのだが、自己満足度は高い。

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これは本体部だが、入力切り替えボタンがそれぞれ独立して存在するため、入力切替ボタンを何回も押すという作業が不要。リモコンにも同様の独立ボタンが存在する。

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ちょっと上を見るとパネルと入力切替ボタンの間にも細長いボタンがあり、ここには設定に関するボタンや音量調節ボタンなど主要なボタンが一通り密集している。中でも↑のリスニングモードは、他のアンプしか触ったことがないと若干戸惑う部分。MOVIE/TV、MUSIC、GAME、にそれぞれ適しているであろうサラウンドモードが割り振られており、逆に言うと適したボタンを押さなければ目的のサラウンドまでいけないわかりにくさがある(例えば、ドルビープロロジック2のMOVIEはMOVIE/TVでしか選べなく、STEREOはMUSICのみなど)。

これも同様のボタンがリモコンにもあるが、リモコンには上記3つの他、THXボタンも追加されている。

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端子を見てみると、左下部にヘッドホン出力がある。が、こうした機器によくあるものの非常に(そのまま)使う機会が少ない6.3mmステレオプラグ。大抵3.5mmミニプラグに変換する必要があるため、個人的にはあまり好ましくなかった点でもある。

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反対の右下部にはセットアップ用のマイク端子。これは付属の自動音場補正用マイクを取り付ける部分であり、ここに挿し込めば自動的にオートセットアップメニューに移行する。

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お馴染みの金色ONKYOロゴ。ここだけ金のためもうちょっと自重しろとも思うが、まああまり目立つというわけでもないので問題ないだろう。

 

 総評 

23461265935268_r ハード面はいいとして、ソフト面はサラウンドを中心として汎用技術ばかりが目立ち、実用性が低いものも意外と多い。スペック表では魅力的な機能で溢れかえっているが、いざ使ってみると「ないよりは(ry」なものばかりといった印象で、YAMAHAのシネマDSPのような“突出した使える機能”というよりは“質より量の詰め込みタイプ”といった感じ。

また2chのPCM入力に対して、THXサラウンドでなぜかDTS Neo:6とTHX Gamesの組み合わせだけが選べなく、代わりにTHX Select2 GamesとDolby Pro Logic IIの組み合わせが可能となっていたりと、組み合わせのわかりにくさも気になった(DTS Neo:6とTHX Cinema or Musicの組み合わせは可能、逆にTHX Select2 Cinema or Musicは2ch入力時は表示すらされない)。ただし多くのサラウンドでドルビープロロジックII or DTS Neo:6を組み合わせられる仕様は好印象。

個人的に使用してがっかりした例としては、Audyssey周りのDynamic~の過剰演出や独自機能のなさにも起因するマルチPCM音声にかけられるサラウンドの少なさ、手動での各スピーカー音量調整時や自動音場補正時に鳴るかなり五月蝿い音の大きさを変更できない点など。これらに関しては“とりあえずあるものを詰め込んでみました”的な雑さが感じられ、ONKYOならではの細かな配慮がもう少し欲しかったように思う。他にデコーダーやサラウンドが切り替わるたびに「パチッ」という音がするのは仕方ないとしても、設定を変更していない視聴中も不定期にこれが生じるのはどういうわけかいささか疑問に感じる。

と、あまりネガティブな意見を見ない製品だけまずはざっと感じたマイナス面を書いてきたが、当然良い部分も多い。基本的な音質に搭載端子の豊富さ、HDMI1.4&ARCへの対応、切り替え式だが9.1ch同時接続可能(ただし9.1ch同時出力は不可)など、値段に反して挙げていったらキリのない豪華仕様は、最終的に前述したマイナス面を補って余りある魅力となっている。前機種と比べてみても、THX認証を始めとしてあらゆる入力をHDMI/1080pに変換出力できるようになっていたり、入力機種名の変更も可能になっていたりと、確実に進化していると言えるだろう。廉価機種で問題になっているファンによる騒音も感じない。

またリモコンも意外と使いやすい。これも先にやや述べているが、とにかく独立したボタンが多く、やりたいことが極力少ないボタン押数で出来るような工夫が見られ好印象。TV用の汎用リモコンとしても併用できるが、そのせいでAMPボタンとTVボタン、現在どちらに切り替えられているのかがわかりにくいのが唯一の難点か。価格.comのレビューでは操作性項目の評価が低いので、このリモコンは人によって評価がわかれる点でもあるように感じる。

とりあえず2週間ほど使ってみた感想としては「AVアンプとしての基本性能は◎、ただし付加機能についてはあまり期待をしてはいけない」といったところ。7畳程度の環境だが3地点から総合計算する自動音場補正は比較的良好だったので、(微調整はする必要があったが)設置は楽に行えるだろう。ただ自動音場補正中はかなり静かな環境にする必要があり、その中でかなり五月蝿い音が10分以上定期的に鳴るため、マンション暮らしの方は時間帯と壁の厚さに注意が必要かもしれない。

 

(2010.8.16追記)

使っていて気になる点があったので追記。規則性はよくわからないものの、PS3にてDolby Digital 5.1chをマルチPCM変換伝送した場合、稀に各スピーカーから出力される音が細くなることが数回あった。アンプの電源入切にて元に戻ったためさしたる問題ではなかったが、もしかしたらマルチPCMデコード時やデコーダー切り替え時、一時的に出力が不安定になる場合があるのかもしれない(PS3側の問題の可能性もあり)。

 

(2010.9.28追記)

用途としてあまり考えていなかったためヘッドホン出力はほとんど放置状態だったのだが、何かの拍子にふと聞いてみたくなったので追加レポ。

…なんでスルーしてたんだ俺orz

ヘッドホン(というかイヤホン?SONYのMDR-EX500SLを使用)はポータブル機くらいしか使ったことがないので、当然ヘッドホンアンプなるものとは比べようがないが、それでも当時かなり感動した記憶があるSONYのWalkmanより、普通に違いがわかるレベルで音質が向上した。

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ホワイトノイズ含めたノイズ系が皆無なことはもちろん、原音に忠実ながらヒップホップ系の曲ではより抑揚感が増し、バラード系の曲では余韻というか、音の伸びにより艶が出た印象。比較的小音量で鳴っている楽器の音も聞こえる精細感で、本当に音が消えるその瞬間というものがわかる。ぶっちゃけ「ここまで音が伸びていたのか」と感じたのは、デフォで使うコーデックを変えたとき(mp3→aac→wav)と、iPodからWalkmanに変えたとき、そして付属イヤホンを高品質なものに変えた数年前以来だと思う。

ちなみに今回はCDをPS3で再生しHDMIにて伝送、アンプ設定はPure Audioにて試聴。さすがにヘッドホン出力主体で数万もするヘッドホンアンプよりは劣るかもしれないが、スピーカーもSONYのSS-F6000で満足している自分には十分すぎる音だった。これまで、イヤホンで音楽を聞くときは家にいてもポータブル機をそのまま使っていたので、今後はこちらを主体にしていきたい。

 

   

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2010年8月 5日 (木)

【SONY】センタースピーカー SS-CN5000 & ブックシェルフスピーカー SS-B1000

 

 前置き 

ソニーのトールボーイスピーカー「SS-F6000」の導入に伴いヤマハのセンタースピーカー「NS-C310」も導入したわけだが、当初こそアンプの自動音場補正で妥協出来ると感じたものの、やはり音傾向の違いはそれなりに違和感を覚える。

買った以上1ヶ月は上記環境で使用してきたものの、どうしても気になってしまうため、いっそソニー「SS-F6000」と同シリーズですべて揃えてしまおうということで今回のレビュー。

なおサラウンドスピーカーはこれまでお古の「DHT-M370」の付属スピーカーを流用していたが、これを機にこちらも同シリーズに置き換えることにした。

※ケーブルはaudio-technicaのGOLDLINK Fine、インシュレーターにこれまたaudio-technicaのハイブリツドインシユレーターAT6089CKを使用しての評価となります。

 

 インプレ 

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商品到着。同シリーズだけあって元箱デザインも酷似している。

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早速開梱。こちらがセンターの「SS-CN5000」。さすが「SS-F6000」と同シリーズだけあって普通にデカイ…。

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ユニット部接写。130mmコーン型ウーファー×2に25mmバランスドーム型トゥイーター×1の豪華仕様だが、これでなんと8,000円程。

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でもってブックシェルフの「SS-B1000」。これも同価格帯のブックシェルフと比べたら驚くほどの大きさで、サラウンド的位置付けではあるが壁掛けや天吊りは困難を極める(というか不可能?フック掛けるところもネジ穴もないし)。

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一応こちらもユニット接写。仕様は上記「SS-CN5000」よりウーファーが1つ減っただけで、ほぼ同様。問題の値段は、「SS-CN5000」より更にお得な2台1組6,000円(1台あたり3,000円)。

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ケーブル接続部。さすがにここは値段相応で、「SS-CN5000」「SS-B1000」共にプッシュ式。

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で、最後にこのシリーズお約束のコスト削減跡、木目調のシートを貼っただけの継ぎ目も健在。とは言え、ここ以外のパッと見は「これがシート?」と思わせるだけのリアルな質感。

 

 総評 

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同シリーズで揃える上で一番の気がかりだったのがセンター「SS-CN5000」の情報の少なさと、その評価内容の微妙さ。最もオーソドックスなカカクコムのレビューでも総合3.47点(2010/8/5時点)と芳しくなく、内容も「満足とは言えない」だの「こもって聞きづらい」だのばかりで、Amazon.co.jpに至ってはレビューさえない。

正直それが理由で最初は「NS-C310」にしたのだが、この1ヶ月で「よく考えればたかが数人程度の評価だし、それだけで決め付けるのもな…」 と思い直し、このシリーズが海外展開されていることを知り(海外の)Amazon.comの方を覗いたところ、なんと45件で総合4.5点前後(しかも3点が1人いるだけであとは4or5点、2010/8/5時点)であったことが決め手となった。

まあ仕様を見てもこちらはやけに好評な「SS-B1000」と同等、あるいは上としか思えなかったのだが、実際購入してみてそれが間違いではなかったと確信した。真っ先にセンターのみのモノラル再生にて確認したときこそ、ブラシーボもあってかややこもったような印象も受けはしたが、単にアンプのセンターのみのモノラル再生時の音量がフロントのステレオ再生時より低く設定されていたこと、また簡易的に行っただけなので絨毯の上に直置きだったことが影響してのことで、AVボードの上にインシュレーターを噛ませて置き、音量を合わせてやったら「SS-F6000」にかなり近い、自然に響き渡るような音傾向となった。もちろん声がこもっていると感じることもなく、低音域~高音域にかけ優しくもはっきりとした音像。

どうせだったので一応「SS-B1000」も単一モノラル再生で比較視聴してみたが、やはり仕様通りの、低音域こそ「SS-CN5000」に若干劣るものの、上記にかなり近い音傾向であることが確認できた(劣ると言ってもあくまで「SS-CN5000」と比べた場合の評価であって、ブックシェルフとしては十分出ているレベル)。少なくとも普通に1台3,000円で買えるスピーカーの音質ではなく、これと同サイズのスピーカーと比べない限りは価格差だけで優劣はつけがたい印象だ。逆にやや気になった点としては、同設定にもかかわらず「SS-B1000」の方が「SS-CN5000」より微妙に音量が大きかった(ような気がする…)点だろうか。まあ誤差かもしれないが、もしかしたらこの音量差が“「SS-CN5000」=こもっている”という評価に繋がっているのかもしれない。

肝心のサラウンド感に関しては同シリーズだけあってバッチリ。どれも似た傾向故に音の繋がりが非常にスムーズで、明らかに「NS-C310」使用時より一歩進んだ一体感を感じることが出来た。“好みの音”というのは千差万別であり、(極論ではあるが)99人が「悪い」と言っても自分1人が「良い」のであれば“良い音”ということになるが、それはあくまでステレオ再生での話。3.1ch以上のサラウンドでは個々の音質以上に全体としてのバランス、音傾向の一致がダイレクトに臨場感へと繋がることを今回つくづく実感したため、“好みの音”の探求はフロントまでで、そこから先のサラウンド拡張時は素直に同シリーズで揃えることをお勧めしたい。

特定のスピーカーを手放しに「最高だ」と言い切る気はサラサラないが、少なくとも自分にとってこのスピーカーは“良い音”と言えるものであった。素人なりに複数のスピーカーを聴き比べてきたが、どうしても廉価機種に多いスリムなスピーカーでは出せない、“このサイズでなければ”というものは存在し、それを安価に実現できる機種として、このシリーズは貴重な存在だと思う。一概には言えないものの、スリムなものほど「硬い」「鋭い」といった印象が強いのに対し、ある程度余裕のあるサイズになってくると「優しい」「自然な響き」といった方向へと広がりを見せてくるような感じで、個人的には後者が好ましい。それもまた好みの部分であり、ある程度耳がこなれている人にとっては更に上位の、海外製の高級スピーカーでなけば満足出来ない人もいると思うが、この価格帯の製品を物色中であるなら、あくまで選択肢の一つとしてこの機種も検討してみて欲しい。

評判の割に実店舗には殆ど置いていない機種なので事前の視聴は困難かもしれないが、とりあえず6,000円で買える「SS-B1000」を試し買いしてみて、その音傾向に興味を持ったなら導入を決めてもいいだろう。サイズ故にスペース等設置の気苦労は多くなるかもしれないが、それだけの魅力も持った機種だと感じている。

 

 

 

   

   

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2010年7月22日 (木)

【マッサージクッション】ATEX ルルド AX-HL148(ブラウン)

 

 前置き 

凝り性なもので、最近AV周りと一緒にPanasonic「EP-MS41」なり「EP-MS40」なりの簡易マッサージソファの購入も考えていたのだが、実際試用してみるとやはり価格なりというか、ただ痛さだけが残る印象だった。

そこで目をつけたのがこれ。存在自体は知っていたのだが「EP-MS40」に目がいっていたときには完全に度外視しており、ハンディマッサージャー「EV2710P」等あらかた検討しつくしたところでふと思い出したダークホース的存在。

1万円以下という低価格と見た目のチープさにもかかわらずファーストインプレッションは今までに体験したどれよりも上で、なにより調べてみると絶賛する声こそあれ否定的な意見はほとんで出てこない。

もうこれしかないということで、金欠気味の財布に鞭打ちポチリ。

 

 インプレ 

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商品到着。ダンボール巻きつける感じで送られてきたため、運送業者の方にはまるわかりという状態での受け取りw

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早速開梱。ブラウンの実物は置いてなかったためこれが初見だが、想像通りの濃い色でまずは一安心。

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付属品。「アダプター在中」のシールは初めて見た。

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袋から出し接写撮影。なかなかに高級感がある生地で、触り心地は良好。縫い目も丁寧で、造りに関しては問題なし。

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全体図。裏側のマッサージ部分は普通のボタン留めで値段を感じるが、ひっくり返せば見事なクッション。そこらに放り投げておいても違和感がない。

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さあ電源に繋ぐか!と思って見てみると、なにやらタグが。超簡易説明書みたいな感じだが、実際これだけ見れば大体はわかってしまうシンプルさ。電源接続部はゴムで固定されている。

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今度こそカチリ。別段取れにくいとか取れやすいと感じることもなく、良い意味で普通。

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電源ON。↑画像は2回押した時のヒーターオン状態。見た目ほど熱は持たず、ほんのり温かくなってクルクル回る。1回押しならヒーターはつかず、3回押しで電源OFF。

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カバーは取り外し可能で、洗濯も出来る。一応素の状態も撮ってみたが、やはりこれだけだと素っ気無い感じ。カバーの生地も少し付着しているが、今回は試しに取ってみただけなので特に掃除もせずカバーをかけ直した。

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最後にカバーを取った状態での電源部分。スイッチのところにはカバーとの位置合わせのためかマジックテープが貼られており、アダプター接続部分は開けてはいけない裏付ファスナー間からチョロンと出ている。

 

 総評 

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各所で言われている通り、その効果は見た目からは想像できないほど大きい。

単純な回転機構しかないはずなのにその動きは人の手を思わせるほど反機械的に感じられ、揉み玉に大小を設けていることや絶妙な速度設定がその要因だと思われる。程良い緩急とゆったりとした揉み心地はグイッグイッといった実際のマッサージの感覚に近く、イタ気持ちいいとかではない素直な気持ちよさを感じることができた。(思いっきり体重かければイタ気持ちいいレベルも可)

更に、低速ながら常にその速度を維持する馬力も特筆もの。通常モーターを低速で回そうとすると単純にパワーを弱めるため、負荷をかけた途端に止まる、あるいはより低速になるといったことがよくあるが、これは違う。ある程度重さをかけても止まるどころかほとんど同じ速度を維持し続けてくれるため、それがゆったりとしつつも十分な揉み心地を生み、ユーザー自身の、重さのかけ具合による微妙な調整をも可能としている。

ただ当然「不満なんて全くない完璧な品」というわけでもない。動作音は静かだが、ある程度体重をかけると「ペキッペキッ」と薄いプラスチック板を弾くような音がしたり、肩位置での揉み上げ時、頭の部分に硬い内部部品が当たるなど気になる部分はある。普通のクッションとしての使用にしても、突起物のある機械部が下にあるため直に座ったりは安定せず、不安も大きい。自分はこの価格、この効果を考えればそれらは微々たるものに感じたが、人によってはそうでない人もいるかもしれないので注意が必要だろう。

あまりにも安く、また「こうした製品のマッサージ機能はたいしたことがない」というこれまでの通説から「ふ~ん」程度でスルーしてしまう人が多数であろう製品ではあるが、マッサージ器を検討している方なら是非一度は試用してみて欲しいと思う。機能性こそ価格なりだが、その効果と自由度には高価なマッサージチェアでも体験できないものがある。

 

   

   

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2010年7月13日 (火)

【小説】ファイナルファンタジーXIII エピソード0 -約束-

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23461265935268_r そろそろ底値になってきたのでFFXIIIを先日購入したついでに、レビューでよく言われていた「プレイヤーの置いてけぼり感」を危惧して小説の方も買ってみた。内容は「Episode Zero」のタイトルが示す通り、ゲーム本編の前日談となっている。ちなみに仕様は325ページのハードカバーで、ブックカバーはプラスチック製。

正直始めは「ゲーム自体が3千円もしないのに、その半額近く出して補完本まで買う意味があるのだろうか?」とその存在に懐疑的だったが、なんとなく公式サイト公開の第1章を読んでみたら予想以上に面白い。普通に第2章も読みたくなったが、さすがにある程度の文量がある小説をこれ以上モニタ越しに読み続けるのはきついと思い、公式サイトの全3章+新規書き下ろし4章が追加されているということも手伝って、衝動的に買ってしまっていた。

肝心の内容だが、基本はやはり前日談で各章ごとにスポットの当てられるキャラクターが変わっていくといった感じ。よって前の章と次の章で話が繋がっておらず、前日談故に各章の終わり方もどこか歯切れが悪かったりもするが、物語のバックグラウンドや登場人物の立ち位置、関係性などは比較的明確で、最初のページで大まかな土地名、キャラクターの説明がカラー画像と共に掲載されていることもあり想像はしやすい。

ゲーム前の導入書としては非常に適切な印象で、ゲーム本編の設定云々の予備知識無しに本書を読み始めたが、特段意味もわからず進んでいくような箇所もなく、各章ごとは短いものの、思っていた以上に感情移入することが出来た。まさかこれだけでゲームはしないという人はいないだろうから、各章終わりの歯切れも悪さも「早く続きが知りたい」「ゲームをやってみたい」という方向に繋がり、結果本編を引き立てることに成功している。

詳細内容は省くが、各章ごとの展開は主役こそ違うものの、基本2人ないし複数人の人物がピックアップされて進んでいく。大体は上の表紙画像に描かれた主要な人物同士の組み合わせであり、その誰もが思いやりの感情を内に秘めていることが、物語への感情移入をしやすくしている。また各章ごとにピックアップされる人物は異なるものの、その相互関係は語られ、また微妙に登場もしてくるため、「あれはそういう理由だったのか」「この人の想いを知ってしまうと…」といった多彩な側面が徐々に見えてきて、小説ならではの魅力にも溢れている。

後半の新規書き下ろし部分は中心人物が前半に出てきた人物へと戻ってくるが、それはどこか前半よりも時が進んだというか…“何かが起こった”あとの出来事のような箇所もあり、なんとなくゲーム序盤を補完するような内容にも思える。唯一この部分が少し唐突で、疑問符の残るような印象も受けたが、その描き方は丁寧で、決して読者をないがしろにしているようなものではないため、いい意味で“含み”のある、ゲーム導入本として“あり”だと思えるものであった。

あくまで“Zero”にあたる物語なので必ずしも「買うべきだ」とは言えないが、内容の半分は無料で公開されているものなので、FFXIIIをプレイ予定の人はとりあえず1章だけでも読んでみるといいだろう。それで気になれば公開されている3章くらいは、それでも足りなければ本書を、という流れが一番自然であるようにも思える。すでにFFXIIIをプレイしてしまった人、プレイしている最中の人も、物語をより深く感じる上では十分有効なものであると感じている。

 

   

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2010年4月 8日 (木)

ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド

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―― 放送情報 ――――――――――――――――――――

2010年1月-2010年4月

1クール全12話

TOKYO MXにて視聴 SDアプコン画質

 

―― テーマソング ―――――――――――――――――――

23461265935268_r8 OP 『フレンズ』

    中野愛子

47251265935295_r9  ED 『爪痕』

    hibiku

 

 

―― 個別ランク ――――――――――――――――――――

 

【声優】

23461265935268_r_2 姫様の声がやたらと好みだと思ったら、それもそのはず。『紅 kurenai』にて絶賛した紫役の悠木碧さんだった。やはりこの人の声はいい。紫の時と同様、聞いていくほどに独特のイントネーションが癖になるしゃべり方は健在で、特に「ちょっと大人びた感じの女の子」という役にはよく合うように思う。その他のキャラクターに関しても、特に違和感を感じることはなかった。

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【演出】

23461265935268_r_3 アニメーションの演出として評価の高い『さよなら絶望先生』や『化物語』にも似て、様々な視点や多彩なカットを用いた非常にクオリティが高いものとなっている。肝心の初回第1話を丸々使って、あのバカみたいな(バラエティ)番組in番組を持ってきたというのもなかなか真似できない発想だと思うが、同時にこれだけ観て切り捨てた視聴者もいるのではないかという心配も。

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【ストーリー展開】

47251265935295_r_2 「次回を待て」的な終わり方ではあったが、まあそれなりにまとまっている方だと思う。ただ全体としては第7-8話間に総集編を挟んでの実質的な2部構成となっており、1クール作品で総集編を挟むというのは正直いただけないようにも感じている。強引さこそ無いものの、こうした短期アニメでは特に1話1話を大事にしていってもらいたい。

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【アプコン画質】

23461265935268_r_5 下記参考画像のように、静止画として切り出せば多少のリンギングが確認できるものの、普通に視聴している限りはほとんど気にならないレベル。むしろ輪郭部分のシャープさだけを見れば、ボケ気味のHDともタメを張れる画質だと思う。

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↑画質参考画像(TSからの等倍切り出し)

 

 

―― 総合ランク ――――――――――――――――――――

23461265935268_r_4 第2期の有無でも大分印象が変わってきそうだが、ここまででも十分良評価を与えるに相応しい作品だと思う。ヴァンパイアが日常世界にその存在を認めさせた上で共存を目指すという独自性に、威厳と幼さを併せ持つミナ姫を中心としたキャラクター達、そしてそれらを魅せるための演出効果が見事に相乗効果を生みだしている。謎のまま終わった部分も多く、逆にそれがミステリアスな雰囲気作りに一役買っているのも確かだが、出来ることなら綺麗に終わりを迎える第2期の制作を期待したい。

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