カテゴリー「Sランク」の11件の記事

2010年9月 2日 (木)

【SONY】薄型PS3 CECH-2100A ~80GBホワイトモデル(CECHL00 CW)との比較レビュー~

 

 前置き 

薄型PS3である『CECH-2100A』が型落ちモデルとなりかなり安くなったため、ようやく所持していた80GBの旧型最終モデル『CECHL00 CW(セラミック・ホワイト)』との買い替えを決意。同時にXbox360もHDMIなしの初期型から薄型4GBモデルへと移行する予定であるため、その前哨レビューということで今更すぎる比較開始。

 

 化粧箱比較 

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まずは化粧箱から。薄型の方がよりポップな印象で、大きさも横幅がかなり短くなっている。

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裏面。80GBの方はあくまですっきりとスタイリッシュに。薄型はより実用的にオプション紹介を掲載。

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サイズ比較。こうして見ると高さに差異はないものの、横幅の縮小がより一層際立つ。奥行きもやや短くなっており、サイドも裏面同様80GBはすっきり、薄型は紹介画像びっしり。

 

 外観比較 

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天板ロゴ部。ロゴが変わったこともあるが、やはり80GBが“家電”といった印象なのに対し、薄型は純粋に“ゲーム機”といった印象が強い。

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ディスク挿入部。どちらもトレイなしのスロットインタイプなのは同様だが、80GBがタッチセンサーなのに対し薄型は物理ボタンを採用している。

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ロゴ&ボタン部アップ。薄型はモノクロ、80GBはフルカラー。80GBの方ではディスク挿入面だけだったシルバーが薄型ではボタン部にまで伸びており、表面処理も前者はマットなシルバー色であるのに対し後者はテカテカのクロムメッキと、ここは薄型の方がメカメカしい、男ウケしそうな造りになっている。

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背面。基板を上下逆にした方が効率が良かったのか、電源差込口以外は上下から端子の並びまでまったくの逆配置になっている。完全に違うのは電源部で、薄型では物理スイッチが省かれているばかりか差込口の形状すら違う。

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こちらは裏面。80GBでは“基本見えないところだし”といった感じで特に何もないフラットだが、薄型では裏面にもきちんとロゴが入っている。仕様シールも薄型の方がどこかデザイン性を含んでいる印象。

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ざっとサイズ比較。高さや横幅は多少の差だ(それでも10~20cmは違う)が、厚みや重さは全く異なる。厚みはおよそ2/3の30cm減に、重さはおよそ1/4の1kg減。総じてみればかなりスリムになったように感じる。

 

 仕様比較 

上記画像はPS3 wikiのもの。公式では30W違うとされている消費電力だが、実測値ではアイドル時こそそれに近いものの、負荷時ではそれ以上の45Wほどの差が出ている。ハード面での主な違いはドルビーTrueHDとDTS-HDのビットストリーム出力、そしてHDMIリンクへの対応。同じ薄型でも2000-2100系間では重量や消費電力にそれなりの差があるものの、最新の2500-2100系間ではHDDの容量以外誤差程度の差しかない。

 

 総評 

16261265935206_r公称消費電力30Wカットは、ファンノイズや排熱量軽減など目に見えるレベルで恩恵を受けている。PS3歴は初期型60GB→上記80GB→今回の薄型120GBであり、60GB→80GB移行時のファンノイズ低減も結構感動した記憶があるが、今回はそれ以上。もうほぼ無音と言ってもいい域に達しているのではないだろうか。これでは微妙すぎるマイナーチェンジの現行2500系が(ホワイトカラー追加点以外は)あまり歓迎されていないというのも納得出来る。

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薄型に移行する上で唯一危惧していた点がデザインのチープ化だが、それも実際に手に入れてみると杞憂だった。確かにマットなボディはプラスチッキーな印象を受けるが、あえてザラついた表面加工にすることでそれを軽減、ディスク挿入&ボタン部の洗練されたデザインがいい意味で強調され、総じて見ればメリハリの効いたバランスの良いものとなっている。

タッチセンサーから物理ボタンへの変更もいい意味で裏切られ、間接照明が基本の自分の環境では主張しすぎないLEDはむしろ歓迎で、電源投入と同時にうっすらと光を纏い、以前のように長押ししなくても切れるようになった電源ボタンは、実用性とインテリア性を兼ね揃えたものへと昇華されていた。

20gb

もともとHDDを使う方ではなかったため20GB程度の移行であったが、ファームアップで内蔵されたデータ転送ユーティリティも10分とかからず終了。非常にスムーズな移行が行えた。デザインさえ許容できれば消費電力&騒音レベルの低下、HDフォーマットのビットストリーム出力にHDMIリンクへの対応、HDD容量の増加、そして何よりより安価に(今回購入した型落ちの2100Aであればまさかの新品20,000円弱)と、満足度はこれ以上ないほどに高い。

未だ潤沢な型落ちモデルも近い将来姿を消していくことは明白なため、自分のようにまだ薄型以前のモデルを使っている、あるいはPS3は持っていないが少しでも興味を持っているという人は、多少足を使ってでも早めに投げ売り店を探し入手しておくことをお勧めする。デザイン的にあえて旧型を(ryというユーザーもいるだろうが、実物を見れば“意外とありだな”と思い直す可能性も高いのではないかと感じている。

(2010.9.3追記)

たまにだが、「ピーッリロリロ」「ピーガー」といったどこか鳴き声じみた電子音を発することが数度あった。鳴っている時間は1秒ほどで、ディスクに傷がつくわけでも動作に支障をきたすわけでもないため別段気にしていないが、それなりの音量で突然奇っ怪な音を発するため、結構心臓がビクッとなる。何か憑依したかな…夏だし。

(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

 

 

   

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2010年8月14日 (土)

【映画】サマーウォーズ

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 作品情報 

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劇場公開  2009年8月1日
TV放送  2010年8月6日/日本テレビ/HD画質

 

 インプレ 

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主人公は大学生、舞台はあこがれの先輩宅という、なんとも羨ましいながらもよくあるシチュエーションで物語は始まる。基本は現代に即しているが、唯一ネットの仮想現実技術が経済の基盤にまで発展しているという点が異なる。

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仮想現実世界ではほぼすべての人が実世界と同程度の権限を有したアバターを所有しており、どちらかと言うと近未来寄りの現代と言った感じ。近未来が舞台の作品ではよく「ヒトの作り出したAIがヒトに牙を向く」という展開があったりするが、この作品もそれに漏れず。便利になりすぎた世界に内在する危険性について、寓話ライクな側面を併せ持っている。

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とは言ってもそれはあくまで間接的であり、作品の展開としてはネットを介す近未来像より、むしろ昔ながらの、田舎に住む人々の日常風景が中心。これがこの作品の独自性とも言えるべきところであり、一見相反する未来と過去の要素を上手く配合させることで、万人受けしやすいわかりやすさと、今までにない新鮮さを両立させている。

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物語が大きく動くのは後半から。前半では完全に田舎思考だったゆったりとした流れが、ある出来事を堺に徐々にスピードを持ち始める。振り返ってみると結構急にサイバーな展開になっていたような気もするが、視聴中特に不自然さを感じなかったのは、要所要所ではきちんとネット外の実生活も並行して描かれていたためだろう。

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田舎が舞台ということもあり、普及したとは言えネット社会に疎い人間も多い。こうした実世界にも通ずる点は他にもちらほらと見られ、視聴者が置いてけぼりにならないような細かな配慮が感じられる。また“危機的状況下において人の繋がりがどれだけ大きな力となるか”という比較的オーソドックスなテーマも描かれるが、それをありきたりに感じさせない演出力も見事。

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そして最後は完全なハッピーエンド。「便利すぎる道具は諸刃の剣」「冴えない男が見せるカッコよさ」「オラに力を分けてくれ的な締め」など、振り返ってみるとやはり“ありきたり”と言われるような結論に辿り着いただけの感は否めないものの、作品の価値はそこ(結論)ではなく、そこに行き着くまでの過程の集大成こそが作品なのだということを、今回再認識させられた。

最後の最後は、被害の大きさからしても「いや普通に逃げとけよw」と内心突っ込んだりもしたが、まあそれはそれ。最近のジブリ作品みたいに、あからさまに何かを訴えようとして結果よくわからない意味深な空気で終わるより、こうしたオーソドックスな、伝わりやすい要素をふんだんに使った上で、それをオリジナルのものへと構成、昇華させる方向性の方が自分は評価できる。

同スタッフ陣による「時をかける少女」も個人的には大ヒットした作品のひとつなので、ジブリに続くアニメ映画の代表として是非とも確立して欲しい。

 

   

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2010年8月 7日 (土)

【SONY】サブウーファー SA-W3000

 

 前置き 

トールボーイスピーカー「SS-F6000」センタースピーカー「SS-CN5000」、ブックシェルフスピーカー「SS-B1000」ときて、最後はサブウーファー。

こちらも最初はデザインや設置スペースの観点からヤマハの「YST-FSW050」を選んだわけだが、センタースピーカー「NS-C310」から「SS-CN5000」への置き換えに伴い、どうせならとソニーの上記シリーズですべてを揃えることを決意、実行した。

※ケーブルはNS-C310の付属ケーブルを流用、インシュレーターにaudio-technicaのハイブリツドインシユレーターAT6089CKを使用しての評価となります。

 

 インプレ 

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元箱からしてかなりのインパクト。見た目通りのデカさ&16kgという重量級。

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箱から出すのも一苦労。底を持てなかったのでサイドを掴んで「おいしょっ」と持ち上げたのだが、あまりの重さから床に下ろす直前手が滑って「ドスン」。数cmの高さだったが、正直肝が冷えた。

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ユニット部。同シリーズだけあって「SS-F6000」「SS-CN5000」、「SS-B1000」と見た目や素材こそ類似しているものの、300mmのコーン型ウーファーはやはり圧巻。こちらはサランネット取り付け部がユニット周りの金属部品として存在しているため、プラスチッキー全開な他のものよりは、いくらかチープさが緩和されている。

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ロゴ配置も他のものと違い、これだけサランネットではなく本体下部に直付け。SONYの文字が光る。

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ちょっと目線を上に持ってくると、そこにあるのはパワーインジケーター。上がオートパワーオフ(スタンバイ)時で下がパワーオン時。特に眩しすぎることもなく、オート機能を使用せずに電源を切ると消灯する。

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ちょっとひっくり返してみたの図。底面には特に防振材などがあるわけでもなく、シール式の陳腐なクッションが付属しているのみ。場合によってはインシュレーター等導入してやった方がよさそうだ。

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背面部。1/4程度が丸出しのプラスチックとなっており、シートとは言えそれなりに見える木目調部分とのギャップが目立つ。もちろん質感もプラスチッキー全開でチープさ爆発。端子やボタン類は右サイドに集約されている。

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下から画像左上、右上、左下、右下の順に撮影。左上=電源ボタン、右上=スピーカー入出力端子、左下=ライン入出力端子&オートパワーオン/オフスイッチ&位相極性切替スイッチ、右下=周波数カットつまみ&音量調節つまみ。

これだけの機能性を備えながら、値段はやはり廉価クラスの18,000円ほど。このシリーズの異常なコスパはサブウーファーでさえ例外ではない。

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最後におなじみシートの継ぎ目…と思いきや、なんと普通に木を黒く塗りつぶしただけ。おそらく表面の木目調自体はシートを貼っただけだと思うが、サブウーファーに関してはその痕跡がほとんどなく、背面に飛び出たプラスチック部以外は比較的まともな印象。

 

 総評 

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まず肝心の音についてだが、驚いたのはその独自性。「NS-C310」や「DHT-M370」のサブウーファーとも違う、更に言うなら自分が今まで聞いたどのサブウーファーとも異なる、非常にまろやかな印象を受けた。

インプレッションに頼る部分が大半を占めるために言葉だけでは実感しづらい部分だと思うが、あえて言葉にするなら「自然に溶け込むような音」「力強く響き渡り、それでいて遅れた感じもない広がりのある音」といった感じだ。今までは特に感じたこともなかったが、この音を感じた後だと(このサイズに比べれば割とコンパクトな)多くのサブウーファーの音は、良く言えば「鋭くスピード感のある音」、悪い言えば「どこか不自然に強調された音」といった印象を受ける(具体例として爆発音を挙げるなら、両者とも重低音独自の空気を震わす感は共通しているものの、前者はあくまで表現の一部として素直に臨場感を盛り上げているのに対し、後者ではそれだけが独立してオーバーリアクションをとっているような、怖い話でいきなり大声を出されビクッとさせられるような感じ)。“大きな個体だからこその音の響き”という表現は同シリーズの他のものでも使ってきたが、今回それがサブウーファーも例外ではないことを実感する形となった。

また、自分の7畳程度の環境ではウーファーとの距離が近すぎるせいもあってか、本来重低音では存在しない指向性も稀に感じてしまう(どこから振動が発生しているのか、なんとなくだが認知できてしまう)ことがあり、それが違和感に繋がることもあった。しかしSA-W3000では、スペースの関係で今までで最も近いソファーの真後ろに配置しているにもかかわらず、それがまったくわからなかったという点も大きい。特段意識しないと気にしない点ではあるが、一度体験してしまうとこの何とも言えない包み込まれるような、音の深みに飲み込まれるような没入感は忘れがたいものがある。

機能性にしても、(このシリーズすべてに言えることだが)当時この価格帯を打ち出したソニーは一体何を血迷っていたのだろうかと思うほどの豪華さだ。最大200Hz~最小50Hzのハイカット(ローパス)機能が当然のようについているのを始めとして、オートパワーオフ(スタンバイ)機能、通常のライン入力の他、出力に加えスピーカーの入出力も備えている。とどめは位相極性の切替機能だ。実際このクラスのサブウーファーでここまで多くの端子やらスイッチやらを目にしたのは、これが初めてのような気がする。

…と、ここまでつい手放しに褒めちぎってしまったが、それだけ自分にとって衝撃的な製品だったということでもある。一応レビューする上で「どんなに良いと思っても、(無ければ無理矢理にでも見つけて)悪いところも指摘すべし」をポリシーとしているが、この製品は悪いところを探すのが本当に困難であった。まあそれも背面の安っぽさ、置き場所に困るサイズ、移動すら困難な重量という、少し製品の本質からは離れた問題ばかりで、使用上の難点にしてもオートパワー機能の誤爆というオーソドックスなものにとどまる。

なおこのオートパワー問題だが、LFE信号があっても出力が弱いシーンが続くとスタンバイ状態に入ってしまい、その際(オンオフ切替時)アンプのサラウンド切替時ライクな「カチッ」という音がするため、あまり頻繁に入切が繰り返されるような場面では少し気になる、というものだ。ただLFE信号キャッチ→パワーオンへの移行はかなり敏速に行われるため、音の繋がりという点においてはそれほど違和感がなかった。オートスタンバイ機能を切ることも出来るので、基本はオートで、状況に応じてオフというが最も利口な使い方だろう。

何はともあれ、このスピーカーを導入するうえで一番のネックになるのはやはりサイズだと思うので、“その問題をクリア出来る”ということが前提になるだろうが、これまでにないサブウーファーを、より自然な重低音を、という人にはぴったりな製品だと言えるのではないだろうか。

 

 

 

   

   

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2010年7月 3日 (土)

【SONY】トールボーイスピーカー SS-F6000

 

 前置き 

音周りの環境改善第3弾はフロントスピーカー。

どこにも展示していないので購入に踏み切るまでかなりかかったが、選んだのはコストパフォーマンスがかなり高いと噂のソニー製トールボーイスピーカー『SS-F6000』。

もちろん通販価格だが、驚きの4ウェイスピーカー2台1組17,600円なり。

※ケーブルはaudio-technicaのGOLDLINK Fineを使用しての評価となります。

 

 インプレ 

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まずは正面から。ちょっとテレビ周りの配線が見苦しいのでぼかし挿入w

左がサランネットありで右が取ったところ。

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左下から。パッと見の高級感はなかなかのものではないかと。

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右上から。スペック値は確認済みでも、購入したら「予想以上にデカイ」と感じる人が多いであろう存在感。

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各ユニット部。上2つが25mmのバランスドーム型トゥイーターと80mmのコーン型ミッドレンジ。下2つが160mmのコーン型ウーファー。ネットワークはシンプルなようだが、これだけついて1台1万切りは正直破格としか(ry。

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次にサランネット。1番目の正面写真でもわかるように、つけても少し中が透けて見えているほど薄い。それに加え↑のように左右に密着させないためのスペースも設けられているので、音の通しやすさは抜群。

…もしかしたら単なるコスト削減かもしれないが。

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このサランネットだが、取り付けはオーソドックスな6穴の凹凸差し込み式。ではあるものの、ちょっとした工夫が施してありスーっと挿し込め、取り外しもかなりスムーズ。だからといって取れやすいということもない。

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先程「パッと見の高級感はなかなか」と書いたが、あくまでパッと見の話。値段が値段なので当然どこかにしわ寄せがあるわけで…よく見るとこれ、木目調のカッティングシートみたいなものを貼ってあるだけだったりする。

まあ↑赤丸部分の継ぎ目とかを見なければ、かなり本物に近いダークブラウンで印象は悪くないと思う。

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ここにもコスト削減の痕跡が。トゥイーターだけは金属を使っているものの、それ以外のコーン部は余す所無くプラスチック。一応金属っぽく見せようとしてる感はあるが、さすがにちょっと安っぽさは否めない。購入前はサランネットなしでもいいかなと思ってたが、やはり隠す方向でいくことに。

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コスト削減パート3。足部だが、実はこれデカイ業務用ホッチキスの流用で、素材も何の変哲もないプラ。安定性に欠け音への影響が懸念されるため、(気休め程度かもしれないが)audio-technicaのハイブリツドインシユレーターAT6089CKを噛ましてやってある。

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最後にサランネットのロゴ。今までがYAMAHAやDENONだったので音周りにソニーロゴはちょっと違和感があったが、まあ見慣れたロゴなのですぐ慣れた。よく考えればウォークマンやらコンポやらも出してるし。

 

 総評 

16261265935206_r 商品到着直後は予想以上のデカさと、今までのスピーカーとの音傾向の違いから「やっちまったか?」とも思ったが、数日間CDやら映画やらBlu-rayやら視聴した結果、見事「買って良かった」に変わった。

音域は全体的によく出ている方だと思うが、やはり低音域が強い。だからといって低音だけが強調されているわけでもなく、全体の音に厚みを加えているような、いい意味で低音寄りな印象。

もちろん高音域も自然な範囲でよく出ており、「確かに響いているのを感じるが、変にキンキンしない」という感じ。これに比べるとDHT-M370のスピーカーは少し機械的な高音といった印象を受ける。聴くものによっては機械的なキンキンした高音が出てくれた方がいい場合もあるかもしれないが、あくまで映画やゲームといった映像ありきの視聴がメインの自分にとっては、こちらの方が良かったと思う。

また、このスピーカーの特徴として「映画などは低音の厚みが活きてきて向いているが、音楽のような繊細な音を聴くには少し無理がある」という意見をよく目にしたが、あまり耳の肥えていない自分には十分音楽用としても併用できる感じ。クラシックなどを聴く人には×かもしれないが、そもそもJポップしか聴くことがないため、ボーカルがよく聴こえズンズンとした低音が小気味いいこのスピーカーは下手なミニコンポ付属スピーカーよりよほど実用的だった。

サイズ故に置く場所と(インテリア的な)バランスという問題はあるものの、とりあえず「トールボーイが欲しい」「出来るだけ見た目堅牢なものを」という人にはぴったりな製品だと思う。分かる人が聴けばこのサイズでこの音はちょっと物足りないのかもしれないが、少なくとも同価格帯の製品と比べるならトップクラスの音質で、“このサイズならでは”という音もきちんと出してくれるので、外観に惚れた人ならまず満足できるのではないかと。

※購入後1ヶ月視聴した結果、評価をA→Sに修正しました。またそれに合わせ、総評も少し弄ってあります。

 

 

 

   

   

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2010年3月30日 (火)

クロスゲーム

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―― 放送情報 ――――――――――――――――――――

2009年4月-2010年3月

4クール全50話

テレビ東京にて視聴 HD画質

 

―― テーマソング ―――――――――――――――――――

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2_2 OP 『Summer rain』

                 コブクロ

47251265935295_r_43_4 1クール目ED 『恋焦がれてみた夢』

                          絢香

47251265935295_r_24 2クール目ED 『オレンジDays』

                    SQUAREHOOD

47251265935295_r_35 3クール目ED 『燃えるような恋じゃないけど』

                                                        鶴

23461265935268_r_26 4クール目ED 『リハーサル』

                         近藤夏子

※第50話専用のEDもあったが、1話だけなのでこちらは省略。

 

 

―― 個別ランク ――――――――――――――――――――

 

【キャラクター】

16261265935206_r あだち作品すべてに共通していることだが、その魅力はなんといっても登場するキャラクター。どの作品も顔や性格が似た人物が多いものの、だからこそひとつを好きになればすべてが好きになる。とりわけ穏やかな中にも熱いものが垣間見える主人公は、典型的故に万人に好まれるような設定だと言えよう。ツンデレ系の幼なじみやおなじみのマスコットキャラ、チームメイトにはクールな天才からボケ担当まで個性的な役者が揃っている。

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【ストーリー】

23461265935268_r_3 これもタッチやH2など有名な野球漫画を世に送り出してきただけあって、似つつも決して同じでない緊迫した試合展開と、それ以外の大半を占める多彩な人間模様を描いた日常描写のバランスが秀逸。これまでの作品とはかなり異なった「いきなりヒロインが死んでしまうという」という設定も最後まできちんと活かされており、一見ゆったりとした日常描写の中にも随所にシリアスをちりばめることで、全体を通して奥深さのある作品に仕上がっている。

8

 

【声優】

23461265935268_r_4 あまりのハマり具合に驚いたというのが素直な感想。すべてのキャラクターの声が原作を読み思い描いていたものとドンピシャだったのもそうだが、個人的にはまさか青葉に戸松遥さんが来るとは夢にも思っていなく、それだけにあそこまで合っていたことが一番の驚きだった。戸松さん意外に目立った顔ぶれはいないものの、主人公光役の入野さんからあかね役の神田さんまで、それぞれが理想のキャラを作り上げている。

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―― 総合ランク ――――――――――――――――――――

16261265935206_r_2 上記に挙げたそれぞれの要素もさることながら、実際はアニメ終了直前に原作の連載が終わったばかりという状態で、よくもまあこれだけ上手くまとめ上げたものだと思う。4クール作品とはいえ、こうした連載中漫画のアニメ化は尺の関係でテンポが乱れたり終わりが雑になったりしがちなものだが、この作品に関しては一貫して原作に忠実、かつ終わったばかりの原作に即した綺麗な終わり方を実現させている。アニメ化により損なわれた魅力もほとんど感じなく、逆に動きがあることで試合のリアリティは上がっており、HD放送ということも相まって非常に高水準にまとまった作品。放送時間帯もワンピースなど有名所が揃う日曜朝であったため、この作品からあだち作品が好きになったという人も多くいるのではないだろうか。あだちファンの自分としては、そういった人には是非過去の作品群も読んでもらいたい。

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2010年3月28日 (日)

【抱き枕】ふにプニクッション 160x50cm シリコン綿+20%増量

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完全受注制のオリジナル抱き枕。詳細情報や購入方法は公式HP参照。 

 

―― オススメランク ――――――――――――――――――

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―― 個別ランク ――――――――――――――――――――

 

【肌触り】

16261265935206_r_2 2WAYトリコットという縦横2方向に伸縮する素材で、1方向にのみ伸縮するスムースと並んで「水着素材」と言われることが多く、その中でも特に肌触りがいいとされる素材。実際非常にもちもちサラサラしており、触っていてとても気持ちが良い。

 

【抱き心地】

23461265935268_r 中材のシリコン綿を+20%増量したこともあり、かなりふっくらとしていて2WAYトリコットとの相性抜群。これは受注だから出来る柔軟な対応だが、逆にデフォルトの綿量だとやや少ないという評価も。サイズも自由に設定できるが、自分の選んだ160x50cmという(あの類の)サイズは、身長よりやや短いくらいなので十分すぎるボリュームがある。

 

【耐久性】

44371265935323_r 2WAYトリコットのデメリットともいえる耐久性。抜群の肌触りと伸縮性の対価として、ひっかき傷といった局所的なダメージにかなり敏感。まあ普通に使ってる分には問題ないし、カバーを付ければいいだけの話だが、とりあえず肌が荒れている人や爪が長い人は注意が必要。また中材のシリコン綿は比較的へたりにくい方だと思うが、それでも綿は綿。使っていくうちに段々とへたっていくのはどうしても避けられない。抱き心地は変わるが、へたりにくさを重視したいなら上位製品のパウダービーズ抱き枕「ドリピふに」という選択肢もある。

 

【汎用性】

23461265935268_r_2 ぶっちゃけ大人の抱き枕カバーしかないのが現状だが、この160x50cmというサイズが最も汎用性が高いと言える。というのも、市場に多く出回っているカバーサイズが150x50cmないし160x50cmのものばかりであり、カバーが伸縮する素材でさえあればその両方に対応できるため。伸縮しないサテンといった素材のカバーもあるが、抱き心地や肌触りの面を考えると、よほど惚れこんだ絵でもない限り選ぶことはないだろう。

 

 

―― 総合評価 ――――――――――――――――――――

16261265935206_r_3大人のカバー用というのが今やメジャーな用途かもしれないが、純粋な抱き枕として考えてもかなりクオリティが高い製品。単に気持ちよく寝るための寝具としてひとつ買っておいてもいいかもしれないが、それだと160x50cmというサイズはやや大きすぎる印象。購入する際サイズが任意指定できるので、自分の身長やベッドの大きさ、収納スペースなどを考慮して、ベストなサイズを割り出しておくことをオススメする。

また「ふにプニクッション」というこの製品自体は完全オリジナルの受注製品なため、上記公式HPからしか購入することが出来ない上に発送まで2週間近くかかるが、これとほぼ同様の製品としてセベリスライクラ(改)と銘打った製品も発売されている。こちらはキャラハイ(同店名義でAmazonのマーケットプレイスでも扱っている)などで普通に購入可能なので、アダルト目的かつなるべく早く手に入れたいという人はこちらの製品でもいいかもしれない。

 

   

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2009年2月14日 (土)

涼宮ハルヒの憂鬱

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【放送情報】

2006年春放送 1クール全14話

DVDにて視聴

 

【テーマソング】

OP 『冒険でしょでしょ?』 平野綾 A

ED 『ハレ晴レユカイ』 平野綾・茅原実里・後藤邑子 B

挿入歌

『God knows...』 平野綾 S

『Lost my music』 平野綾 A

 

【スコア】

イラスト 14/15

キャラクター 15/15

ストーリー 13/15

オリジナリティ 15/15 +5

ミュージック 9/10

声優 10/10

放送画質 N

満足度 20/20

 

総合 96/100 S

 

【コメント】

3

キャラクター

これほど個性的なキャラが揃っている作品もそうないだろう。しかもそれぞれが独自の魅力を持っているために様々なツボをついてくる。個人的にはハチャメチャツンデレ系のハルヒより、むしろナイスツッコミに従事しているキョンの方がお気に入り。

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オリジナリティ

観る前はただの学園ラブコメとしか思えなかったのだが、蓋を開けてみると完全無欠の不思議系。ここまで印象が激変する作品も珍しいのではないだろうか。他にも物語の構成において時系列を無視した制作会社独自の手法を取っていたり、キョンの独り言によるツッコミを笑いの軸にしていたり、そもそも主人公であるはずのキョンが終始本名不明など、十分すぎるほどのオリジナリティを持っている。

8

ミュージック

テーマソングもなかなか良いが、中でも平野さん演じるハルヒが劇中で歌う『God knows...』と『Lost my music』が素晴らしすぎる。どちらもロック調のハイテンポな曲であり、前者に至ってはマイ神曲とも言うべきレベル。

2

声優

う~ん…これも全体的に良すぎるためなかなか絞り切れないのだが、あえて挙げるならやはり主役2人のハルヒ(CV.平野綾)とキョン(CV.杉田智和)だろう。平野さんに至っては『DEATH NOTE』とコレで完全に名前を覚えてしまった数少ない声優さんであり、釘宮さん同様この人でなければダメというキャラも結構多い独特の声質の持ち主。もちろんハルヒもその典型である。また杉田さんの割と低いめの声もキョンというキャラには驚くほどマッチしており、この作品の軸であるキョンの脳内ツッコミのキレの良さは間違いなく彼の功績によるところが大きいと言える。他にもみくる役の後藤邑子さん、有希役の茅原実里さんなど非常に有名な声優さんが揃っており、その名に恥じない演技っぷりを披露してくれている。

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感想・総評

まず「よくこれを第1話に持ってきたなぁ」というのが第一印象。おそらく原作を知らなかった人はまったく意味がわからず、一歩間違えればこれだけで視聴候補から切ってしまった人もいるのではなかろうかというほどだった。

全体としては非常に魅力に溢れた作品であり、わずか全14話の1クール放送としては異例のマイブーム(世間的にもか?)を巻き起こしたのは今でも記憶に新しい。製作発表がされて以降音沙汰がなく、心配しながら待ちに待った第2期もいよいよ今年春の放送が決まり、再びハルヒ熱に火がつく日も近くなってきた。この機会に、まだ観ていない人は(もう観てしまった人もおさらい用に)DVDのまとめ借りでもしてみてはいかがだろうか。

 

 

   

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2009年2月 8日 (日)

機動戦士ガンダムSEED

Seed

【放送情報】

2002年秋放送開始 4クール全50話

静岡放送にて視聴(当時アナログTV環境)

 

【テーマソング】

1クール

OP 『INVOKE -インヴォーク-』 T.M.Revolution A

ED 『あんなに一緒だったのに』 See-Saw B

2クール

OP 『moment』 Vivian or Kazuma B

ED 『RIVER』 石井竜也 C

3クール

OP 『Believe』 玉置成実 S

ED 『FIND THE WAY』 中島美嘉 S

4クール

OP 『Realize』 玉置成実 A

EDは3クールと同様

挿入歌

『静かな夜に』 田中理恵 A

『暁の車』 FictionJunction YUUKA A

『水の証』 田中理恵 B

『Meteor -ミーティア-』 T.M.Revolution S

『Zips』 T.M.Revolution A

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【スコア】

イラスト 14/15

演出 4/5 New!

キャラクター 15/15

ストーリー 13/15

オリジナリティ 8/10

ミュージック 9/10

声優 9/10

満足度 20/20

この作品に関してはアナログ放送で視聴したため、“放送画質”の評価が出来ない。よってその臨時的措置として“演出”を追加。

 

総合 92/100 S

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【コメント】

イラスト

以前“放送中アニメのインプレッションレビュー(2009冬)その1”(『鉄のラインバレル』項)でも記載したが、非常にクセのある絵を描く平井久司さんがキャラクターデザインを務める。思えば自分にとって平井さんの名前を覚えたのがこの作品であり、以降は『蒼穹のファフナー』、『ヒロイック・エイジ』など、この人のデザイン目当てでチェックした作品もちらほら。またメカニックデザインもかなり好印象で、始めこそイージスのまっピンクっぷり、ストライクのファーストガンダム的色使いに色々と驚きもしたが、観始めてからは慣れる→魅力を感じるようになるまでがあっという間だった。そんな中でも特に印象的だったのがフリーダム頬部灰色のワンポイントラインで、当時としてはよく導入に踏み切ったなと思うほど斬新な試みだったように感じる。これもまたすぐ後には立派な魅力となっていたわけだが。

演出

とにかく胸が揺れる揺れる(w)。キラ×フレイに関しては(特にスペシャルエディションで)一部お茶の間に沈黙が訪れるんじゃないかと心配したくなるほどの性的描写も含まれており、“ガンダム=正統派”という自分の印象を見事に一掃してくれた…のはまあいいとして、バトルシーンは使い回しが気になったりもしたがそれ以外はかなり良好。とりわけフリーダム登場シーンなどは鳥肌ものだった。全体を通しては毎回話の終わらせ方が見事で、観終わるたびに来週が楽しみで仕方がなかったのを今でも覚えている。

キャラクター

もうとにかく主人公2人(キラ&アスラン)のキャラクターが素晴らしすぎる。どちらも一見対称的なようでいて共通部も多く、だからこそ似て非なる互いの想いのぶつかり合いや葛藤にどうしようもないほどのじれったさを覚える。そしてこのじれったさこそが、のちの悲愴や希望といった視聴者に与える感情を助長させる。

また恋愛面においても、前半のキラ×フレイ、中盤のアスラン×カガリなど、観る度に胸が締まるような想いに苛まれるシーンが多々あった。これはキラ、アスランという中核のキャラクターはもちろんのこと、それを引き立たせる役(とりわけ女性陣)としてもいいキャラクターが揃っていたということだろう。

男性陣でもイザークやカズイといったかなり個性的なキャラが存在し、(賛否両論が出そうではあるが)個人的には彼らもかなりいい味を出していたように感じる。

ストーリー

これ単体でみたらかなりいいと思うのだが、あえて“21世紀のファーストガンダム”と言ってるだけあってかなりファーストに乗っかってる印象。ただ自分の場合はファーストを観たのが本当に最近であるため、今でこそそう感じるものの、当時としては非常に新鮮かつ魅力的な作品であったことに間違いはない。更に言えば本格的にガンダムにはまったのがこのSEEDであり、自分にとってはSEEDこそガンダムの原点とも言える。

またそれ以外に、現実のイラク問題の影響も受けてか“核”を話の軸にしていたり、ファースト以上に“戦争への疑問”という問題定義をプッシュしているなど、独自の方向性も見受けられる。そもそも“ガンダム”を一般名詞化していない点も印象的だ。おそらくこうした要因の積み重ねが、多くの批判を呼びつつもヒットという結果を残すことが出来た最大の要因であるように思う。

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オリジナリティ

詳細はストーリーの項参照。作品の魅力としてはプラス方向に働いているものの、単純な新規性的側面だけならファーストとの類似点が多すぎる印象。

ミュージック

大部分はテーマソングの評価だが、BGM、SEも効果的に使われており、とりわけ本編ラストにかぶせる形で入るEDのタイミングが絶妙。より場面を盛り上げつつもそのテンションを維持したままEDに入るため、“終わりよければ全て良し”の法則が働いてか(違うかw)見終わった後の充実感が他のアニメよりも断然大きかった。

声優

全体としては高水準であるものの、非常に残念なのがミゲル(CV.西川貴教/T.M.Revolution)とアイシャ(CV.ビビアン・スー)。ここで(というか恐れ多くも“ガンダム”という作品で)俳優声優を使うなと言いたい。テーマソングはいい感じで歌ってくれた西川さんも、声優としては完全に素人レベル。この2人が全体的にうまくまとまるはずであったバランスを崩してしまっている。

感想・総評

まあ突っ込みたいところもないわけでもないが、それでもDVDを初回版で全巻集め、飽きずに5周は観ている作品はこれ以外に例がない。先ほど“ガンダムにはじめてはまった作品”みたいに書いたが、もしかしたら“アニメそのものにはまるきっかけ”だったのかもしれないとさえ思う。それほどこの作品が自分に与えた影響力は大きく、衝撃的だったということだ。

現在でもその存在感は薄れることがないものの、もうずいぶん音沙汰がなく心配している映画化の話と、いつ出るかわからないBlu-ray版、そして(もう絶対にありえないと思われる)続編、あるいはスピンオフ作品など、今後への期待はあまり芳しくないのが現状。

ただ唯一今年始めからTOKYO MXやBS-iでも(今更ではあるが)放送開始という吉報もあったため、まだ見てない人がいるようならこの機会に是非観てみてほしい。BS-iなら地デジを導入しているほとんどの家庭で視聴が可能だろう。

 

 

   

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2009年1月27日 (火)

ひぐらしのなく頃に

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【放送情報】

第1期 ひぐらしのなく頃に

2006年春~夏放送 2クール全26話

テレ玉にて視聴 SDアプコン放送

第2期 ひぐらしのなく頃に解

2007年夏~秋放送 2クール全24話

テレ玉にて視聴 SDアプコン放送

以下は未放送

第3期 ひぐらしのなく頃に礼

OVAとして来月よりDVDとBlu-rayにて販売予定 全5巻

放送予定はなし

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【テーマソング】

第1期

OP 『ひぐらしのなく頃に』 島みやえい子 S

ED 『why, or why not』 片霧烈火 S

第2期

OP 『奈落の花』 島みやえい子 A

ED 『対象a』 anNina B

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【スコア】

イラスト 11/15

キャラクター 15/15

声優 9/10

ストーリー 14/15

独自性 15/15

音楽 4/5 New!

放送画質 2/5 (画像はDVD->PS3アプコン)

満足度 20/20

  

総合 90/100 S

 

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【コメント】

イラスト

日常のほんわかした雰囲気と非日常の張り詰めた雰囲気が上手く描き分けられている点は○。ただし描き込みの少なさや上画像のような簡易版キャラを多用しすぎな印象も見受けられる。

キャラクター

原作を出来る限り忠実に再現していると言える。

すべての主要キャラが表の顔と裏の顔を持ち、その2面性がたくみに使い分けられているのだが、この作品の特徴は裏の顔が単なる悪部として描かれているわけではない点にある。結果として残酷なまでの悪行へとその身を染めたとしても、その根幹は“どうしようもないほどの人間性”に帰結する。

本来どんな人も持っているであろう明部と暗部。普段は明部ばかりが目立つものの、たとえそれが真に望む未来につながらないとわかっていても、きっかけ次第で人は暗部を強調させてしまうことがある。その一例として、この物語の主人公たちは描かれているように感じられる。

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声優

はじめは圭一(CV.保志総一朗)と沙都子(CV.小野恵令奈)の声に違和感を感じたものの、鬼隠し編の終わる頃にはしっくりくるようになっていた。全体としては雪野五月さんや田村ゆかりさんといった有名どころをはじめ、違和感なく作品にとけ込める声優陣となっている。中でも大石(CV.茶風林)が一番のお気に入りだったり。

ストーリー

実質的な最終章に当たる祭囃し編(とりわけ羽入登場以降)については、原作の頃から若干の無理やり感を感じはしていたものの、伏線の使い方や多数の疑問点をそれほど無理なく解消していく流れは非常に素晴らしかった。

パラレルワールド展開であることに加え、各編後半の残酷描写、またそれらの背景が最初はまったく解消されずに進んでいくことから、はじめこそ作品についていくだけでも厳しいものがあったが、これが解消されてくる後半(本来の“解”、目明し編~)以降は恐ろしいほどにのめり込んでいってしまった。意味不明の連続だった前半部分とは一変し、そこに次々と関連性を持たせていく後半部分の存在こそがこの作品の醍醐味であろう。

他に羽入参戦以降の主人公たちが結束していく過程も見所。

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独自性

ギャルゲーチックな日常性と映画『SAW』ばりの残虐性、壮大なスケールで進行する推理性に加え、ある意味ファンタジックな非現実性がひとつに集まったものがこの作品。これだけでも十分異色を放っているのは間違いないが、その中で“本当の人の強さ”というものについても訴えており、ただの娯楽以上の作品へと仕上がっている。

音楽

原作から引き続き、タイトルにもなっている“ひぐらし”の鳴き声の活用が上手い。日常生活シーンにおける明るいテンポのBGMともあいまって、ひぐらしならではの涼感や物悲しさが場面の切り替わりを強調させている。なおテーマソングについての評価は上記【テーマソング】を参照。

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放送画質

かなりボケボケ。1期2期と画質にそれほどの違いもなく、とりわけ評価できる点もない

…とは思うのだが、なにぶん手許に当時の放送画質をもとにした動画がない(DVD->PS3アプコンエンコしたときに消してしまった)ため、Dランクとしながらも評価は2/5点とやや甘め。

最後に

アニメゆえにこの膨大なボリュームの作品を網羅しきれているとは言えないものの、限りある時間内ではうまくまとめ上げている感じ。第3期として『ひぐらしのなく頃に礼』も製作されているが、OVAなのが残念なところか。

この作品にアニメではまった人は是非原作(同人ゲーム)も、またこの作品を前半部分で挫折してしまった人はせめて後半部分まで、一度は見てみて欲しい。おそらく最初の頃には感じなかった何かを感じることができることだろう。

 

 

   

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2009年1月21日 (水)

紅 kurenai

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―― 放送情報 ――――――――――――――――――――

2008年春放送 1クール全12話

テレビ埼玉にて視聴 HD放送

 

―― テーマソング ―――――――――――――――――――

47251265935295_r_41  OP 『Love Jump』

         栗林みな実

47251265935295_r_52  ED 『crossing days』

               新谷良子

 

 

―― 個別ランク ――――――――――――――――――――

 

【キャラクター】

23461265935268_r_6 自分としては好印象だが、表情においては好みの分かれそうな独特な絵。質そのものは非常に高い。全体的に気だるい印象を持つキャラが多いが、それはあくまで表面的な部分。どのキャラにもそれぞれ秘めた良さがあり、全体を通してみるとそれがよくわかる。とりわけ主役2人、真九郎と紫のやりとりが常に面白く、その中で芽生えてくる(明らかになってくる)キャラクター性も必見。

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【声優】

16261265935206_r 他の作品とは一味違った、独特な雰囲気を出している声優さんの演技力に拍手。自分としては紫(CV.悠木碧)のしゃべり方が一番のお気に入りで、スルメゲーならぬスルメボイスとでも言おうか、はじめはその独特さに違和感を持つものの、聞いてくるほどに「この声でなければ紫じゃない」というほどジャストフィットしてきた(まあ当然かもしれないが)。もはやこのしゃべり方だったからこそこの作品に惹かれたのかもしれないという感じであり、もちろん真九郎(CV.沢城みゆき)含め、全体としてもいい声優さんが揃っている。

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【ストーリー】

23461265935268_r_6 ストーリーについてはまだ見てない人の楽しさを半減させかねないのであまり書きたくはないのだが、大雑把に言うと、世間知らずの金持ちの娘がとある事情から家を離れ、少年と暮らすことになるというもの。基本的には超絶箱入り娘の紫が世間を知っていく過程を面白おかしく描いていくコメディチックな展開なのだが、その背景には時代錯誤とも言える風習と少年の闇が常に付きまとい、随所でそれが強調される。わずか1クールという比較的短い作品ではあるものの、その内容は濃い。

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―― 総合ランク ――――――――――――――――――――

16261265935206_r_2 コメディとシリアスの使い分けが見事で、単に物語と見てもアニメと見ても面白い。一方絵や内容はどちらかというと大人向きな雰囲気が漂い、(良い意味で)色々と考えさせられる場面も多い。完全に終わってしまった感がある最後だったのでアニメはこの全12話がすべてとなるだろうが、たった12話、されど12話。短い中に非常に多くのものが詰め込まれているので、アニメ好きなら是非一度は観てもらいたい作品のひとつである。

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